ザ・モール

おススメ度 97

 

www.youtube.com

 

※ドキュメンタリーの内容に触れていますので、未見の方はご注意ください。

それどころか、未見でご覧になられた方が良いと思います。

 

あらすじはこんな感じ

 

「誰がハマーショルドを殺したか」のマッツ・ブリュガー監督が、デンマークの一市民が北朝鮮の国際的な闇取引(武器密輸)のネットワークに潜り込み、その実態を暴き出すさまを描いたドキュメンタリー。デンマークの元料理人ウルリクは、北朝鮮の闇を暴きたいという思いから、スペインに本拠地をもつ北朝鮮との文化交流団体KFAにスパイとして潜入する。コペンハーゲン出身で麻薬密売人の相棒とともに、独裁国家北朝鮮に潜入した2人は、長年にわたる団体への貢献によりKFA会長の信頼を得、武器や麻薬を製造、供給する北朝鮮の国際犯罪組織の中枢へと潜り込んでいく。商談を重ね、契約を結んだウルリクは武器輸出ビジネスの実態を目撃。やがて自身もアフリカ某所での兵器と麻薬の密造工場建設計画に深く関わることとなる。ウルリクがひそかに撮影していた映像素材に、ブリュガー監督がナレーションやインタビューシーンなどを加え、完成させた。2020年秋に英国BBCと北欧のテレビ局で放送され、21年2月に「潜入10年 北朝鮮・武器ビジネスの闇」のタイトルでNHK-BSでも放送されて反響を呼んだ内容に未公開シーンなど追加している。

以上映画.comより

 

 

 

最初劇場の予告編を見た時に、ドキュメントにしてはあまりにも荒唐無稽で、話が飛躍していたので勝手にフェイクドキュメンタリーと勝手に思い込んでいました。

でも、何か凄く引き付けられるものがあって鑑賞に至りました。

スパイ経験が無い元料理人(ウルクル)が、北朝鮮にスパイとして10年間活動していた記録と言われてもさぁ、と思っていたのですが、実際に見たら息を呑む映像の連続で圧倒された次第です。

 

このドキュメントの登場人物が、役者が演じるているかのような個性の強い面々で、

最後ウルクル一同が『実は、全員役者が演じていました』とドッキリと書かれた看板をもってきたとしても、驚かないくらいの現実感の無さなのですが、これらの事が現実で起きていることに得も言われぬ怖さ感じました。

 

それと、ウルクルが北朝鮮のパイプを繋ぐため、最初に地元デンマークで活動している北朝鮮友好協会に加入して、着実に重要ポストに就任するのですが、その友好協会の内情も少し映し出されていて、現在は高齢化が進んでいる事、意外と若い男性が新加入するが、その大半が失業中であったりしていて、社会から外れてしまった人々の居場所としても機能しているのを見てとれたのが、興味深かったです。

 

社会的立場から解放出来て、ゆっくり集える場所があれば、この若者たちは、ここには来なかったろうし、サードプレイスは本当に大事だなと改めて思いました。

 

その後もウルクルの快進撃は続いて、北朝鮮でKAF(北朝鮮親善協会)会長のスペイン人、アレアハンドロと出会い、投資家を探すよう命じられて、話は急激に展開してくことになる。

 

そこで、フランス軍外人部隊に所属していた『ジム』という男を呼び寄せ『ジェームス』という名で、偽の投資家役に起用する。

 

国連から経済制裁を受けている北朝鮮は、あらゆる輸出が制限されてるため、貿易が出来ない状態になっているので、外貨獲得手段として行われているのが武器や覚醒剤の違法取引というのが映画っぽいなぁ、と思ったのですが、すぐさま「これ、現実の話だ。」と思い直しました。

 

その二人が、北朝鮮から武器リストと購入金額が記入されている書類を手に入れて、帰国するまでの道中ずっと緊迫感が続くので、生きた心地がしませんでした。

 

ドキュメンタリーの中で私が印象に残っているのは、ウガンダにある孤島にリゾートホテルを建設して、離れた地下に武器工場を作成するという、一見嘘みたいな計画の視察の際に、島民達が「病院を建てるための視察」と聞かされて歓迎するシーンでした。

その時ウルリクとジムは、心の中で何を考えていたのだろうか、実際にはホテルや武器工場は建設されない訳なのですが、スパイ任務はドラマのように相手だけを騙すのではなくて、関わる人々を騙すという事を描いているが生々しかったです。

 

島に住む人たちからすれば、病院が建設する話が無くなり落胆するとは思うのですが、もしこれが本格的に始動したら、島民たちは立ち退きに合う訳で、他人の思惑で、自分の大切な物が奪われたり、破壊されてしまう危うさをこれでもかというくらいに受け止めてしまったので、このあたりはスクリーンを直視するのが本当に厳しかったです

 

なにより、このドキュメンタリーの監督がウルクルとアレハンドロをパソコンで対面させて、ウルクルがアレハンドロにスパイだと伝えるシーンの緊張感たるやもうね、元々この監督2009年に北朝鮮を撮影したドキュメント「ザ・レッド・チャペル」を作成して入国禁止の状態になっていて、その時、航空券の手配をしていたのがアレハンドロという遺恨があるという状態。

 

なので、ウルクルから監督がパソコンを通じてとアレハンドロと対面するシーンは何一つグロテスクなシーンでもないのだが、信頼していた人から裏切られる瞬間の顔を見るのは、どんなスプラッター表現よりもグロテスクに感じて、あまりの緊張感でこれまた画面を直視できませんでした。

 

しかしこれは、監督のウルグルに対するスパイを卒業する儀式なのではないかと思うようになりました。

 

投資家を演じたジムは、フランス軍外人部隊に所属後、大麻輸入で逮捕されて8年間の服役を経験しているからこそ、動じないしスパイ活動として任務も出来ると理解できるのですが、それと比べて、ウルグルのバックボーンの無さに、ある種の異様さを感じました。

 

ウルグルを見ていると、水をいれても少しずつ漏れてしまうコップを連想していました。

 

鑑賞後、これは見て良かったものなのか?と思いつつ映画館を後にしたのですが、その際、何者かが尾行しているのではないかと思い、後ろを何度か振替えったのは初めての経験でした。

 

この後ウルグルは日常に戻って平穏な生活をおくっているのだろうか?

北朝鮮側で関わっていた人物はその後どうなったのか?

そんな事を思いながら、帰宅の途に就きました。

 

これは、映画館で見てこそのドキュメンタリーですので、最寄りの映画館で上映していましたら是非ご覧ください。

 

 

 

 

 

エターナルズ

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おススメ度 94

 

※映画の内容に触れていますので、未見の方はご注意ください。

 

www.youtube.com

 

あらすじはこんな感じ。

 

アベンジャーズ」シリーズをはじめとしたマーベル・シネマティック・ユニバースMCU)で知られるマーベル・スタジオが送り出すヒーローアクション大作。太古から人類を見守ってきた「エターナルズ」と呼ばれる者たちの活躍を、「ノマドランド」でアカデミー賞を受賞したクロエ・ジャオ監督が描く。「アベンジャーズ エンドゲーム」後の世界を舞台に、これまで人知れず人類を守ってきたエターナルズが姿を現し、未曽有の危機に立ち向かう。遙かな昔から地球に存在し、7000年もの間、陰から人類を見守ってきたエターナルズ。最凶最悪の敵サノスによって半分が消滅させられた全宇宙の生命は、アベンジャーズの戦いによって復活したが、その時の強大なエネルギーによって新たな脅威が誕生し、地球に迫っていた。その脅威に立ち向かうべく、これまで身を潜めていたエターナルズが再び集結する。10年ぶりのアクション作品への出演となるアンジェリーナ・ジョリーをはじめ、「クレイジー・リッチ!」のジェンマ・チェン、「ゲーム・オブ・スローンズ」のリチャード・マッデンキット・ハリントン、これがハリウッドデビューとなる「新感染 ファイナル・エクスプレス」のマ・ドンソクらが出演。

2021年製作/156分/G/アメリ
原題:Eternals
配給:ディズニー

映画.comより

以上、フィルマークスより引用。

 

アベンジャーズシリーズが完結して、仕切り直しての新シリーズになるのでしょうか、不安と期待が混じった気持ちで映画館に足を運びました。

 

アベンジャーズ』シリーズは、仲間が集合して一つのチームとして機能するまでの過程を描いているのに対して、この映画は『エターナルズメンバー全員集合』からスタートする映画だったのですが、手話で会話するマッカリ、同性愛者であるファストスの描き方を見た時に、「マーベル流石だな。」と思いました。

 

どちらも、ごく自然な事として周りは認識しているので、とやかく言わないのが良かったですね。

 

そんな事は当たり前だから、言うまでもない感じが見ていて心地良かったです。

 

ここから私事なのですが、アベンジャーズエンドゲームを鑑賞した時、映画界に10年近くの間、話題と収益をもたらしてきたので、アカデミー賞で功労賞とかで表彰されるのでは無いかって勝手に思っていたのですが、その年のアカデミー賞で存在が無かった事にされているのを見て、アカデミー賞の投票券を持つ人にとって、マーベルシリーズの作品は映画として下に見ているではないかと思いました。

 

※後日調べたところ、マーベル作品自体は、アカデミー賞ノミネートはされている映画もあり、アカデミー賞以外では数々の賞に輝いている事を知りました。

 

 

実際に、マーティン・スコセッシ監督が「マーベル作品をシネマだとは思わない。」という発言をしてたりもするので、そういう面もあるのでは無いかなと思った次第。

 

マーベルは映画界で下に見られている=なめられている事を客観的に認識したうえで映画界の表現のアップデートを推進させる事を意図的にしているというのが、私の推測です。

 

長々と書きましたが、マーベルの『お前らが下に見ている映画だけど、このLBGTQに対する表現やアプローチはやっているんでしょうね?』という映画界に対する牽制のようにも見えて、気骨があるなと勝手に思いましたな。

 

 

エターナルズが完璧な存在と描いていないのも印象的で、セルシはエターナルズのリーダーに任命されて戸惑っているし、成長出来ない事にスプライトは憤りを感じていたり、セナが我を忘れて暴走するのを、必死で止めるギルガメッシュであったりと、それぞれ葛藤や不安な部分を持っていて、それって人類の課題や葛藤と重なる部分もあるので、キャラクターに感情移入しやすかったです。

 

 

他にも、無駄なキャラクターが存在しない部分も、マーベル脚本の神髄を見たというか、例えば役者として活躍しているキンゴのマネージャーであったり、凡庸な映画だったら、マネージャーは戦いに巻き込まれて退場させるような展開にしても問題は無いのでしょうが、この映画はそれをしない、それどころか、あるエターナルズを弔う際に必要な役目を与える訳です。

 

最後に、これからの物語の中心に関わらせてくるあたりを見て「キャラクターをほったらかしにせずに、救い上げるなぁ。」と感心しました。

 

エターナルズのような超越した存在と共に、その世界には普通の人たちも存在していて、そこをピックアップしていることに感情が動かされました。

 

その卓越した科学力で、人類のテクノロジーと技術の進化を後押ししてきたファストスが、広島の原爆に対して現地で後悔するシーンを見ながら、これはアメリカ映画史に刻まれるトピックスなるのではないかと思いました。

 

こちらの情報によると、2005年の時点でアメリカ人の約6割が原子爆弾を投下したことは正しかったというアンケート結果が出ています。

 

forbesjapan.com

 

今だと、もう少し数字は変動しているのかもしれませんが、今回これが世界中で見られることに対して、これからの10代、20代にむけてのメッセージとしても希望を持てるのではと思った次第です。

 

ハリウッド映画で扱われる原子爆弾は、どこか100トン爆弾のように扱っているのが個人的に気になっていました、あと安易に爆発させるし、爆発させたら100年単位でその海近辺は漁も出来ないし、周りの島や国では健康被害も起きるし、そういう映画を見るたびに、放射能汚染舐めなよ!!!という思いと同時に、そのリアリティの無さがノイズとなって楽しめなくなることもありましたので、尚更そう感じたのだと思います。

 

ここからは、重箱の隅を付くような些細な事柄になりますが、ディヴィアンツが、エターナルズの特技を吸収する描写は面白かったものの、ヴィランであるディヴィアンツとエターナルズがどれくらい強いのかが分かりにくかったです。

 

ここに他のマーベルヒーローが登場すれば、強さの度合いを計れるのですが、この映画では2組しかおらず、巨人のセレスティアルは地球を破壊するスケールの大きさなので、強さ以前の問題のため、最後まで強さが分かりにくい部分が気になりました。

 

後、セレスティアルが、セルシに凍結された時に「何か、エヴァンゲリオンぽいな。」と感じたり、セレスティアルが解凍された動き出した際に、挟まっていた部分の隙間が空くので、津波が起きるのでは無いかと思ったりしましたが、全体的に楽しめましたので、おススメ度は94となりました。

 

エターナルズ自体はこれで完結されるらしいのですが、これからのエターナルズの面々がマーベル作品に絡んで来ると思うと、期待に胸が膨らみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUNE/デューン 砂の惑星

※映画の内容に触れていますので未見の方はご注意ください。

 

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おススメ度 95

 

www.youtube.com

 

あらすじはこんな感じ。

 

ブレードランナー2049」「メッセージ」のドゥニ・ビルヌーブ監督が、かつてデビッド・リンチ監督によって映画化もされたフランク・ハーバートSF小説の古典を新たに映画化したSFスペクタクルアドベンチャー。人類が地球以外の惑星に移住し、宇宙帝国を築いていた西暦1万190年、1つの惑星を1つの大領家が治める厳格な身分制度が敷かれる中、レト・アトレイデス公爵は通称デューンと呼ばれる砂漠の惑星アラキスを治めることになった。アラキスは抗老化作用を持つ香料メランジの唯一の生産地であるため、アトレイデス家に莫大な利益をもたらすはずだった。しかし、デューンに乗り込んだレト公爵を待っていたのはメランジの採掘権を持つハルコンネン家と皇帝が結託した陰謀だった。やがてレト公爵は殺され、妻のジェシカと息子のポールも命を狙われることなる

映画.comより引用。

 

以上Firmarksより引用

 

ジャンル的に言えば、王道のジュブナイル物でありながらも、雄大なスケールと演出、CG表現で構築された今作は傑作だと思います。

 

マーベルのアベンジャーズシリーズにおける『エンドゲーム』あたりから、上映時間が2時間半を越えても間延びしない脚本や映画の撮影方法が確立されてきたと感じていて、今作も約2時間半の上映時間でありながら、間延びするところもなく、時間を気にせずに映画に没入できました。

 

冒頭は静かで淡々としている部分もあったのですが、それは冗長ではなく、登場人物の関係性を丁寧に描写していると捉えました。

 

主人公ポールと相手との距離が、心の距離と連動していると感じていて、冒頭、母親のレディ・ジェシカとは椅子に座った時のテーブルの距離感がジェシカとの心の距離のように見えましたし、ポールが兄のように慕うダンカンの場合は、肩を組むぐらい距離が近い描写があります。

 

その母親とも、旅を続ける内に砂漠専用のドライスーツを装着する際に、一人では手が届かない部分をお互いにフォローするシーンが描かれています。

 

この映画では、言葉より演出によって登場人物の心情を表現するため、映画全体には静寂とある種の緊張感が継続されていきます。

 

この緊張感が、上映時間が2時間半近くでも、集中力が途切れない工夫なのではないかと思うのです。

 

正直な事を言いますと、ポールの父親のレド・アトレデイス公爵が亡くなるシーンまでは、すこし眠たくなってしまう部分もありましたが、その後の盛り上がりで眠気も無くなりました。

 

映画を見ていて、砂漠の世界で地下水をくみ上げて地下に植物を育てる場所があったり、ヘリコプターのような空中浮遊する機器の形がトンボの羽の形をしていたりと、風の谷のナウシカぽいな~。と思っていたのですが、この映画は1960年代に発売された小説が原作なので、順番が逆で、ここから宮崎駿ナウシカのアイデアを膨らましたのだなと思いました。

その他にも、銀河英雄伝説のエッセンスをあったりしてと、日本のアニメや小説などの物語の源流を知ることができる映画として楽しめました。

 

あと、今作品の字幕で『砂虫』と表示されていた生物が『サンドウォーム』と知った時に「このモンスターってここから発生していたのか。」という驚きがありました。

ファイナル・ファンタジーで砂漠を歩くと出て来る、芋虫のような形をしていて、頭半分が巨大な口の中にイソギンチャクのようなものが生えてい巨大なモンスターの源流がここにあるとは、感慨深かったです。

 

今作の敵である、ハルコンネル男爵が登場する演出も良かったです、長テーブルの奥の椅子に男爵が座っていて、ずっとピンボケしている状態で映されていて、立ち上がろうとした時に異常にデカい事が分かる、ガタイが良いというより、足の長さのバランスが歪なように描かれていて、そのことを説明しないので、見ている側としては不安だけが残りました。

 

※後で調べてみたら、足が長いのでは無くて裾の長い服を着てただけでした、思い込みで書いていしまい、お恥ずかしい限りです。

 

これからポールが、ハルコンネル男爵と対決するのかと思うと、どうなるのか期待できます。

 

先程も書きましたが、ナウシカ銀河英雄伝説などの元ネタを垣間見ることが出来たりと、数々のクリエイターが影響を受けたであろう、エンターテイメントの源流を辿る映画としても楽しめる者でした。

 

ただ、この作品が続編がある事については、最後で知ることになり驚きはしました。

予告編や、ポスターでは続編について言及しておらず、サプライズ的な部分もあるのでしょうが、それなら前面に続編であることを明記した方が良いのでは無いか?と映画を見終わった後、モヤモヤが残りました。

 

しかし、続編が今作同様のクオリティで完結するのであれば、スターウォーズのように語り継がれる映画になると思った次第です。

サマー・オブ・ソウル

www.youtube.com

 

おススメ度 96

 

※パンフレットも、60年代のアメリカの出来事や、アーティストやセットリストの紹介、コラムなど内容が充実してますのでおススメでございます。

 

このドキュメンタリーは、劇場内の予告で知りまして、ミュージシャンのパフォーマンスに圧倒されたので鑑賞しようと思った次第です。

 

映画感想の前にちょっとした話。

映画鑑賞の際は、映画館に少しでも貢献すべく、出来るだけ飲料を購入するマイ・ルールを課していて、大半は自販機からブラックのアイスコーヒーを購入しているのですが、今回、間違えて砂糖・クリーム入りを選択してしまった訳です。

それだけなら、まぁいいか。で済ますのですが、出来たと思って紙コップを取り出すと、何もない空間に液体が発射されているではありませんか。

 

やっちまった。

いつも購入しているブラックコーヒーのタイミングで紙コップを取り出してしまった。

 

今回、砂糖とクリームが入っている分、作成する工程に時間がかかることを想定していませんでした。

結果、手元の紙コップには氷とシロップだけが入っている事となりました。

皆さまも、自販機で購入する際はお気をつけください。

 

注意喚起も終えたので、ここから感想を書くことにいたします。

 

最初に、パッパカパーの音と共に、制作会社のロゴが映りだされたのですが、そこには、『SERCHLIGHT PICTURES』の文字が、この音って20世紀FOXじゃあないの?

と思っていたのですが、この制作会社は、元々20世紀FOXの子会社で、現在はディズニーに買収されてディズニーが『20世紀FOX』の名称を使用しないことになった経緯があるのを知りました。

 

1969年にニューヨーク州ハーレム マウント・モリス公園で6月29日から隔週、あるいは翌週の日曜日の同時刻、6回にわたって無料のフェスティバルが開催された様子が、50年の月日を経て日の目を見ることになる。

 

当時のライブ映像と、当事者のインタビューを交えて編集したのがこのドキュメンタリーとなります。

 

1960年代というキーワードがどれだけ黒人社会に影響を及ぼす出来事があったのか、(米国では、アメリカ系アフリカンと言うのが一般的になりつつあるとも言われています。)ドキュメント内でも解説があったのですが、J・Fケネディ、マルコムx、キング牧師の暗殺、ニクソン大統領の就任、ベトナム戦争の泥沼化、アポロ11号が月に着陸。と、時代の変革と、黒人の人権運動を先導する人物が立て続けに暗殺される異常事態が1960年代だったというのを知ると、ライブに出演しているアーティストの熱量が理解できました。

 

とにかく、フェスに登場するアーティストの気合の入り方が尋常ではなくて、若き日のスティービーワンダーのライブが圧巻でしたね。

 

スティービー・ワンダーと言えば、キーボードを演奏しているイメージがあったのですが、スタンドマイクで歌いながら、ドラムセットに近づいてからのドラムプレイは音楽の才能が溢れ出している感じが最高でした。

 

他にも、スライ&ザ・ファミリー・ストーンのライブパフォーマンスで『シングア・シンプル・ソング』という曲も良かったです。

 

フェスに参加しているアーティスト全員が、ライブバンドとしての実力と人気を兼ね備えているので、見ているだけで楽しめました。

 

このフェスを開催するにあたって、尽力した一人の若者がいまして、その人の逸話だけで映画の題材になるくらい面白かったです。

 

他にも、お金が無くて照明を用意できないので、ステージを西日が当たるように設置したなどの裏話もあったりして、そういう点も楽しめました。

 

何より、このフェスで黒人が置かれている世界を変えるのだという気概が、どのアーティストからも滲み出ていて、50年の月日が経過してもそれが色あせる事がないと感じました。

 

じゃあ何で、こんな素晴らしいフェスが50年の間日の目を見なかったのか?

ということになるのですが、ドキュメント内では明確にはされていませんが、察するに、1969年にウッドストックという大規模なフェスが開催されていたこと、当時アメリカでは盛り上がっていた、アポロ11号が月に着陸した事に対して、ハーレムの住人達は「その費用を福祉に回すべきと。」と否定的な声が多かったことそして、当時は黒人社会に対する差別的な動きがまだ根強くあった事などが背景にあるのではと、思った次第です。

 

しかし、このフィルムを大切に保管していた人がいたからこそ、こうして映画館で鑑賞できたことが、奇跡的な出来事だと思いました。

 

ライブの臨場感を味わうには劇場で見るのが一番いいと思います。

 

ライブ映像としても迫力があり、1960年代のアメリカの歴史やファッションも知ることが出来る、サマー・オブ・ソウルおススメいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

007 ノー・タイム・トゥ・ダイ

www.youtube.com

おススメ度 89

 

※映画の内容に触れますので、未見の方はご注意ください

 

あらすじはこちら

 

ジェームズ・ボンドの活躍を描く「007」シリーズ25作目。現役を退きジャマイカで穏やかな生活を送っていたボンドのもとに、CIA出身の旧友フェリックス・ライターが助けを求めにやってきたことから、平穏な日常は終わりを告げる。誘拐された科学者を救出するという任務に就いたボンドは、その過酷なミッションの中で、世界に脅威をもたらす最新技術を有した黒幕を追うことになるが……。ダニエル・クレイグが5度目のボンドを演じ、前作「007 スペクター」から引き続きレア・セドゥーベン・ウィショーナオミ・ハリスロリー・キニアレイフ・ファインズらが共演。新たに「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」のアナ・デ・アルマス、「キャプテン・マーベル」のラシャーナ・リンチらが出演し、「ボヘミアン・ラプソディ」のフレディ・マーキュリー役でアカデミー主演男優賞を受賞したラミ・マレックが悪役として登場する。監督は、「ビースト・オブ・ノー・ネーション」の日系アメリカ人キャリー・ジョージ・フクナガ。

2021年製作/164分/G/アメリ
原題:No Time to Die
配給:東宝東和

映画.comより。

 

キャスト
ダニエル・クレイグ
レイフ・ファインズ
ナオミ・ハリス
ロリー・キニア
レア・セドゥ
ベン・ウィショー
ジェフリー・ライト
アナ・デ・アルマス
ダリ・ベンサーラ
デヴィッド・デンシック
ラシャーナ・リンチ
ビリー・マグヌッセン
ラミ・マレック

スタッフ
監督・脚本
キャリー・フクナガ
脚本
ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
スコット・Z・バーンズ
フィービー・ウォーラー=ブリッジ
製作
バーバラ・ブロッコリ
マイケル・G・ウィルソン

シネマトゥデイより

 

映画館で007シリーズを鑑賞したのは『スペクター』からなのですが、このシリーズはお祭り見たいなもので、上映されているのなら鑑賞することにしています。

冒頭での銃口を向けられているジェームス・ボンドが横切ろうとした時に銃口に向けて銃を撃つ名シーンは何度見てもテンションが上がりました。

007シリーズと言えば、冒頭シーンからのアバンタイトルまでの一連の流れも健在で、電車にヒロインを乗せるボンド、動き出す電車内からボンドの姿を見るため、電車内を逆方向に小走りするヒロイン。姿が消えるボンド、それと同時に、電車が柱の前を通るたびに、文字が表れてアバンタイトルが出るまでがスムーズで、それだけで、満足な気持ちになりました。

数年前、007全作品を数ヵ月かけてレンタル視聴していた時があったが、どれも娯楽作品として楽しめるものの、今のリテラシーで見るとかなり脇が甘い描写があるのも事実。

初期の頃は、相手の女性スパイを納屋で半ば強引に抱くことで味方に付けてたりしているのを見ていて当時は「モラル的にありえねぇ~。」って思いながら見ていたのですが、DVDのおまけで当時映画に関わっていた人のコメンタリーもあったので、それも視聴してみると「公開当時でも、この表現は無いよね。」と言ってたりしていて、007シリーズ特有の雰囲気があるのことを感じました。

今作品も、現代的なリテラシーに配慮しつつ、同時に007シリーズの持つ「そんな馬鹿な。」と思わせる展開も含めて、ダニエル・クレイグのジェームスボンド引退公演を見てるかのようで感慨深かったです。

スペクターが多数参加しているパーティーに潜入する際に合流した、女性スパイのパロマがこの映画の中ではかなりおいしい役でしたな。

ジェームスボンドと安易に恋愛関係にならず、プロフェッショナルとして、自分の責務を全うするのが現代的だと思いましたし、ボンドと行動を共にして「私はここまで。」と伝えて退場するシーンは新鮮に映りました。

他にも、ジェームスボンドが現場復帰するきっかけとして『コードネーム007が他のエージェントに使用されていたから。』というのも、ジェームスボンドが『ただの番号だ。』といいつつも、その番号に並々ならぬ愛着があることも分かるので、ここら辺が理由付けとして良く出来ているなぁと感じた次第。

他にも、2代目007を受け継いだ女性スパイのノーミも登場した瞬間、これは面白くなりそうだぞ!!という期待があったのですが、映画が進んでいくにつれて、存在が薄くなっていくのがね、惜しいなと思いました。

ノーミの行動がスパイとしてのプロフェッショナルぽさを感じられなくて、乗れなかったなぁ、先に行動していたボンドより、後から車で遅れてきているのに「乗ってく?」はスパイとしてどうなの?と思ったり、ノーミ本人も007にそんな思い入れ無かったんかい!!という所もモヤモヤしてしまったし、役者の問題というよりも、脚本の問題なのかな、とも思いました。

とはいえ、とはいえですよ、映画としては退屈ということは無くて、3時間近い上映時間は苦にならず楽しめたのも事実ですし、ダニエル・クレイグ最後のジェームス・ボンドの集大成的作品としても楽しめました。

ワンカットでのアクションシーンであったり、見応えはあるものの、過去の映画で見たようなシーンでもあるので、新鮮さはあまりなかったです。

一つ気になるのは、ジェームス・ボンドシリーズって演じる役者は違えども、そのパーソナリティーは継続されているのですが、この映画を見る限りだと、ジェームス・ボンド亡くなっているように見えたのですが、次回作もジェームス・ボンドは存在しているかは気になりました。

多分、この考えは杞憂に終わるでしょう。

スタッフロールでも。「ジェームス・ボンドは新しく生まれる。」みたいな字幕出ていましたし。

全体的に映画は楽しめたのですが、所々細かいところが気になってしまい、最終的にはダニエル・クレイグお疲れ様という意味も込めて、おススメ度は89となった次第です。

 

 

 

ダニエル・クレイグジェームス・ボンドの中で一番好きなのはこの映画です。

 

 

レミニセンス

www.youtube.com

 

おススメ度 90

 

あらすじはこちら

 

ヒュー・ジャックマンが記憶に潜入するエージェントに扮したSFサスペンス大作。「インターステラー」「ダークナイト」などクリストファー・ノーラン作品で脚本を担当してきた、クリストファー・ノーランの弟ジョナサン・ノーランが製作を手がけ、ジョナサンの妻でテレビシリーズ「ウエストワールド」のクリエイターとして知られるリサ・ジョイがメガホンをとった。多くの都市が水没して水に覆われた世界。記憶に潜入し、その記憶を時空間映像として再現する「記憶潜入(レミニセンス)エージェント」のニックに、検察からある仕事が舞い込む。それは、瀕死の状態で発見された新興勢力のギャング組織の男の記憶に潜入し、組織の正体と目的をつかむというものだった。男の記憶から映し出された、事件の鍵を握るメイという名の女性を追うことになったニックは、次々とレミニセンスを繰り返していく。しかし、膨大な記憶と映像に翻弄され、やがて予測もしなかった陰謀に巻き込まれていく。「グレイテスト・ショーマン」でもジャックマンと共演したレベッカ・ファーガソン、「ウエストワールド」のタンディ・ニュートンらが脇を固める。

2021年製作/116分/PG12/アメリ
原題:Reminiscence

配給:ワーナー・ブラザース映画

 

以上、映画.comより。

 

※映画の内容に触れますので、ご注意ください。

 

私が、映画館で映画鑑賞をする理由のひとつとして、『映像の最先端技術を見る楽しさ。』というのがあるのですが、この映画は予告編でその片鱗が見えたので、気になっていた映画でした。

 

映像体験を楽しむ映画として『インセプション』や『インターステラー』などもその部類に入るのでしょうか。

毛色も違うかもしれませんが『ハードコア』も同じフォルダーに入っています。

とにかく、映像体験を楽しむアトラクションとして今回鑑賞した次第。

 

曖昧な記憶を頼りに、ざっくりとした内容を書きますと。

温暖化の影響による海面上昇で、陸地が水没した近未来、富裕層は丘の上に街を作り、貧困層は水浸しの街に住む格差社会でもある。

そんな世界情勢で、退役軍人のニックは脳内で過去を追体験できる装置を使用した商売をしていた。

そこに現れた、メイと名乗る女性が現れ、鍵を探して欲しいという理由で、ニックはメイの記憶に入ることになる。

そこで、メイに心を奪われたニックは、メイクラブ状態になるも、急に現実に戻される。

相棒でもあるワッツが、「記憶装置が目的で近づいているかも知れないから注意な。」という忠告もどこ吹く風。

メイが姿を消して、何とか見つけようとするニック。

 

しかし、愛した女性は他界していて、実は脅されて近づくように指示されていたことにショックを受けるニックだっがが、それを後ろで糸をひいていた元警官を記憶装置に設置して、一番思い出したくない(裏組織にいる人間から、ガソリンをかけられて火を点けられる。)苦痛の時間を延々に追体験させることで、メイの無念を晴らすのでした。

 

大体こんな感じです。

 

ひと昔前なら、斬新な映像表現があれば、ストーリーが二の次でもなんら問題は無かったのですが、今回は映像表現もそこそこに、物語を重視していく構成が印象的でしたね。

 

 

とはいえ、気になった所もありましてね・・・

 

映画を見ていて、「メイは何かしらの思惑があって、ニックに近づいたのだろうな。」という予想通りに物語が進んでしまう所は、少し冗長というか、退屈に感じてしまいました。

 

水に水没した街の描写は良くて、水没しつつある音楽室での格闘シーンであるとか、完全に水没した空間に底に沈んでいくグランドピアノであるとか、印象的なシーンなのですが、それで完結してしまっているのは惜しいと思った次第です。

 

最後、ニックが装置に入って過去のメイとの思いと共に過ごすラストは『前を向いて進もう!!』や『過去より未来!!!』のようなポジティブなメッセージとは違い『本当に現実が苦しかったら、過去の思い出に浸って過ごすものあり。』という監督のメッセージは、コロナで未来が見えない現代を踏まえたかのようで、私には響きました。

 

しかし、物語には乗れない部分もあったりして、おススメ度は90となりましたが、この映画、心に突き刺さる人には、人生のベストムービーとして生涯見続ける級の作品となりえる映画だと思います。

 

レミニセンスを見ていて、この映画を思い出していました。

 

 

 

ブログを開設から七ヵ月経過したことに関する雑記

※今回、とりとめのない話ですので、時間に余裕がありましたらお付き合いください。

 

ブログを開設した当初はもしかして、ブログがバズっちゃうんじゃないの?アフリエイトでウハウハになるんでないの、マジで。という青写真があったのですがそんな上手く行くはずもなく、いまだに、アフリエイトの手続きもしておらず、実際は本当にしず~~~~かな、朝もや立つ湖畔のような状態になっております。

 

朝もやの中から、カッコウの鳴き声が聞こえるような湖畔で一人体育座りして呟いていると思っていただけると幸いです。

 

ブログが開設して七ヵ月が経過したのですが、開設当初は、誰も見ていなくても書いてやるぜ!!!!と息巻いてはいたが、一週間とか誰も見ていない日がザラで、それが続くと、暖簾に腕押し、空に向かって指パッチンをしているかのような手応えのなさは意外と気持ち的にガクっとくることが分かってきた。

 

逆に一人でも見てくれたりすると、うれしさよりも、SNSもしていないのに、どこから情報を知ったのか不思議な気持ちが勝ってしまって上手く喜ぶことが出来ない。

 

ブログの文章を書いている時は、トンネルに向かってボールを投げている感じに近い、ほとんどの場合ボールは返ってこないが、たまにボールが転がってくる時があって、その時は、その人のためにボールを投げようと思ったりする。

 

親友にブログの話しをしたら、お気に入りに登録すると言っていたので、ありがたいのだが、閲覧数が一人の場合は親友だと勝手に思っている。

 

そうなると、親友に映画の感想メールを送信すれば良いのではという、無粋な考えが頭をよぎってしまうのだがそういう事では無いだろう。

 

Twitterか、Twitterなのだろうか、それを含めて今、考えているところです。