残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―

残穢[ざんえ]―住んではいけない部屋― [Blu-ray]

 

おススメ度 89

 

あらすじはこんな感じ。

 

小野不由美による第26回山本周五郎賞受賞の同名ホラー小説を「予告犯」「白ゆき姫殺人事件」の中村義洋監督により映画化。小説家の「私」に、読者である女子大生の久保さんから届いた一通の手紙。「住んでいる部屋で奇妙な音がする」とい書かれたその手紙に、好奇心から「私」と久保さんが調査を開始する。そこで明らかとなったのは、その部屋の過去の住人たちが転居先で自殺や無理心中、殺人などさまざまな事件を引き起こしたという事実だった。彼らは、なぜその部屋ではなく、さまざまな別の場所で不幸に遭ったのか。「私」たちは、ある真相にたどり着き、さらなる事件に巻き込まれることとなる。主人公の「私」役に竹内結子、久保さん役に橋本愛と人気女優が共演し、佐々木蔵之介、坂口健太郎滝藤賢一らが脇を固める。

2016年製作/107分/G/日本
配給:松竹

 

 以上、映画ドットコムより。

 

映画感想の前置きを少々。

 

この映画を見る前に、これを読んだのですが、夜中に目が覚めて周りを見渡すぐらい、余韻の残り方が尋常ではなくて、そのあと、謎の体調不良が2、3日続くことになりました。

 

note.com

 

家族も瘤談を読んでいたので、私が「ネット文化が進んだ中、怪談や都市伝説を創作するのは、難しいのでは?」と話したら、そんなことは無い。と言われて教えてもらったのが、『残穢―住んではいけない部屋―』だったという話。

 

前置きはこれくらいにしまして。

 

この映画を見た感想は、「何見せてくれてんだよ~!!夜観なきゃ良かったわ~。」でした。

 

つまり、ホラー映画というジャンルでは最高ということです。

 

この映画は、ホラーというよりも、「ホラーミステリー寄りのサスペンス」という感じがしました。

 

小説家の「私」と、学生の久保の二人が怪奇現象の謎を探るくだりは、ミステリーであるし、その中で起こる怪奇現象はサスペンスだしで、ジャンルの枠をあえて曖昧にしている作りが、この映画の嫌な不安定さや、浮遊感を際立たせているのに成功していると感じました。

 

ミステリーにおける原因は、普通に明かされたはずなのに、なのに、の後が、得体のしれない恐怖を提示し続けて来るようで嫌でした。

 

怖いや、恐ろしいではなく、ただ、ただ嫌でした。

 

他にも、学生の久保が部屋の中で聞いた、ホウキで掃いているような音の原因が物語の中心になっていくのだけど、その描写が本当に嫌な感じで、映画的演出だと最高、実際の出来事だとしたら最低という塩梅。

 

映画の中では、ゴミ屋敷であったり、縁側の下に猫がいると言い出して、縁側に耳を付けている老婆、公衆電話からかかるイタズラ電話など、現代の都市伝説や怪談の淵に立たされているようで、汗を拭っても肌に張り付いてくる下着を履いているような感じて、嫌~な気持ちになりました。

 

その中で、唯一、一服の清涼剤として登場するのが、「私」の仕事仲間である、平岡芳明という存在です。(佐々木蔵之介が好演!!)

 

小説家の平山夢明がモデルとされている、平岡が良いアクセントになっていて、登場するたびに、どこか胡散臭いけど、物語の大事なキーパーソンでもある役回りと、実際の平山夢明のパーソナリティを知っていると、より楽しめる構造になっています。

 

外見や雰囲気は違いますし、直接会ったこともありませんが、個人的には、凄く捉えていると思いましたよ。

 

話術を持っている人が語った怪談を、忠実に演出や、映像化をしたのが、『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』という映画になると感じました。

 

スプラッター表現がある訳でもないが、得体の知れない何かを見てしまった禍々しさだったり、その余韻感が、外国のホラーと、日本映画の違いだったりと思っています。

 

この映画は、その余韻感が尋常では無かったです、寝る前に電気の消えている部屋を見るのが嫌になるくらい、作品に引っ張られました。

 

それぐらい、作品に力の有る映画だといえますし、鑑賞後、最悪だけど、最高の映画体験が出来たこと、これを映画館で鑑賞したら、その日は電気をつけて寝ると決心したことも含めて、おススメ度は89でございました。

 

今日は、小さい電球をつけて寝ようかと思います。