おススメ度 93
※映画のネタバレについて書きますので、お気をつけください。
あらすじはこんな感じ
解説
孤高のクリエイター・堀貴秀が独学で7年の歳月をかけて制作し、カナダ・モントリオールで開催されるファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞を受賞するなど世界的に高く評価されたSFストップモーションアニメ。原案、絵コンテ、脚本、編集、撮影、演出、照明、アニメーター、デザイン、人形、セット、衣装、映像効果のすべてを堀監督が1人で担当し、総ショット数約14万コマという膨大な作業を経て完成させた。環境破壊が進み、地上はもはや人間が住めないほど汚染された。人類は地下開発のための労働力として人工生命体マリガンを創造するが、自我に目覚めたマリガンが反乱を起こし地下を乗っ取ってしまう。それから1600年後。遺伝子操作で永遠に近い命を手に入れた人類は、その代償として生殖能力を失った。絶滅の危機に陥った人類は、地下で独自に進化を遂げたマリガンの調査を開始。政府が募集した地下調査員に名乗りをあげたダンス講師は、調査中に死と隣り合わせになったことで命を実感し、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。
2017年製作/99分/G/日本
配給:ギャガ
以上、映画ドットコムより。
チケットを購入する際に、窓口で、画面に表示される空席の番号を伝えるのですが、マスクをしていて、飛沫防止の透明ビニールがぶら下がっているため、従業員の方に声が届かなかったらしく、2度、座席番号の「Eの5」と伝えても、「Dの4」でよろしいですかと聞き返されてしまったのですが、最終的には、座席は合っていたので、「はい」と返事したのですが、次からはハッキリ伝えようと思いました。
人と話す機会が減っているので、思ったよりも声が出てない事を実感しましたよ。
話は変わりまして、ここからが、映画の感想になります。
久しぶりの映画鑑賞だったのですが、客席は6割は入ってたました。
7年の歳月をかけて、ほぼ一人で作成されたストップモーションアニメの情報だけで、映画館に足を運んだのですが、見終わって圧倒されました。
この映画の表現が結構容赦が無くて、最初に地下に生息する生物の排泄を見せてきます。(最初にモザイクがかかりますが。)
綺麗事は通用しないかのような世界、そして、これからの物語の方向性を決定する監督の手腕が見事だなと感心しました。
この映画にでてくる、生物というか、クリーチャーがかなり気味が悪かった。
例えば、こんなの。
ジャンクヘッド公式ホームページより。
この世界のクリーチャーの目が無い、それが気味の悪さを増幅しているのだと思う。
対して、人間のキャラクターは何処かユーモラスな雰囲気がある。
このキャラクターたちがその筆頭だ。丸みを帯び愛嬌がある。
公式ホームページによると、名前は『3バカ兄弟』である。
それで、彼がこの映画の主人公パートン。
人間だったのが、地下降りる途中身体を失い、機械の身体を手に入れる。
地下の住人からは、天から降りてきた人間のため、『神様』と勘違いされる。
ジャンクヘッド公式ホームページより。
この映画は、地下で、パートンがクリーチャーに出くわして、逃げる。
追っかける、クリーチャー、逃げる、パートン。
この連続で物語りが進んでいくのですが、音楽や、カメラワークで退屈にならない。
むしろ、映画の推進力になるのが、見ていて楽しかったです。
個人的に印象的だったのが、高級食材『クノコ』の採取シーンなのですが、人間の背中らしきものが、無数に並んでいて、背中からは突起物が生えている。
それを、キノコのように切断して採取していくシーンがあって、これを実写化すると、かなりグロテスクなシーンになるのと、丁寧に背中らしきものの下には、排泄物っぽいものが置かれているのが、生々しかったです。
監督の中には、食べる事と排泄は表現したいテーマにあるのだろなと思うくらい、徹底していると感じました。
この映画のラスボス。
ジャンクヘッド公式ホームページ。
ここから、ストップモーションアニメとして見ると、異常ともいえるアクションシーンの連続で、監督の狂気性というか、絶対に良い物を作成する気概と覚悟を感じました。
途方も無い作業を考えていたら、私だったら、とてもじゃないが出来ない。
もはや、考えるな、感じろの世界。
このアクションシーンも構図や、アイディアに溢れていて楽しい。
何よりも、3バカ兄弟が、注射ドーピングからの、7頭身マッチョ変身ムーブが見ていて感動してしまった。
最後で、3バカ兄弟に泣かされてしまうとは・・・
映画自体は3部作の予定なので、続編も楽しみです。
しかし、続編は7年後だと考えると、もう少し早く劇場で見たいですね。
最後のスタッフロールで、監督の凄さを実感できるので、ぜひ最後までご覧ください。
途中に出てくる、パートンが貰ったクノコをだまし取ろうとした人間の結末も含めて、納得の傑作だと思います。
ジャンクヘッドは劇場で公開中ですので、コロナ対策をした上で、ぜひご覧ください。