おススメ度 98
※今回、性的描写について書いているため、苦手な方はご注意ください。
監督:バーラ・ハルポヴァー、ヴィート・クルサーク
原案: ヴィート・クルサーク
出演:テレザ・チェジュカー、アネジュカ・ピタルトヴァー、サビナ・ドロウハー
字幕翻訳:小山 美穂
字幕監修:牧野ズザナ
配給:ハーク
配給協力:EACH TIME【2020年/チェコ/チェコ語/5.1ch/ビスタサイズ/原題:V síti/104分/R-15】
あらすじ
巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋で、幼い顔立ちをした3名の女優(18歳以上)は偽のSNSアカウントで12歳のふりをするという任務を与えられた。各々の部屋のPCで、連絡をしてきたすべての年齢の男性とコミュニケーションを取った。当初のプロジェクトと同様、大多数の成人男性はビデオセックスを要求し、自身の性器の写真やポルノのリンクを送信してきた。なかには恐喝する者も。精神科医、性科学者、弁護士や警備員など専門家の万全なバックアップやアフターケアを用意しながら撮影を続けること10日間。児童への性的搾取者が徐々に尻尾を出し始めるのだった…。
ドキュメント『SNS少女たちの10日間』に登場する男は、同性の自分が見ても、気持ち悪くて、見終わった後、吐きそうになるくらいの体調不良と疲労感が襲われました。
同性から見てこうなのだから、女性から見たらどれだけ不快なのか、12歳の女子(実際は成人女性が演じている。)のチャットにコンタクトを取って、下腹部を見せる奴の何と多いこと。気持ち悪いを通り越して、理解ができない。
まず会話が成立していない、少女側は、会話をしようとしているのに対して、男はすぐに服を脱いでだの、興奮しただの、僕のアソコ見るかい?だの、目的は性的欲求の解消のみで、相手を人間だと思っていないのも腹が立った。
挙句の果てには、ポルノ動画を送り付けたり、勃起した下腹部をライブで見せたりと、やりたい放題。
自分の下腹部を見せたら、相手はどう思うか何てことは一切考えていない浅はかさと、気持ち悪さにスクリーンをまともに見れなくなる瞬間があった。
ただ、露悪的で、グロテスクなだけ。
ドキュメンタリーの中で、専門家が少女を演じる三人の女優たちに、何故男たちは、こんな振る舞いをするのかについてレクチャーしていて、チャットの使用者に幼女愛好者は数パーセントしかいなくて、行動原理は「幼い少女を、自分の都合が良いようにコントールして、支配欲を満たすため。」という事を言っていて、納得しました。
まぁ私がIT奉行だったら、このドキュメンタリーに出ていた男(一人を除いて)全員、市中引き回しの上で、打首獄門を言い渡すし、下腹部を動画で見せつけていた変態クソ野郎どもは、全員、陰茎が腐り落ちる呪いをかけときました。
でも、これは他人事ではなくて、自分にもそういう部分があって、発動する可能性があるという、自覚が大切だなと思った次第。
そう思ったのも、経験的に「私は○○が出来る。」「私は○○ではない。」と言っている人間は、出来てもないし、それを無自覚にしているのが多い印象なのも関係している。
男性の顔にはモザイクがかかる中、チャットに男子大学生が入って、普通に会話が出来ることに、少女を演じる女優が泣き始めたのが衝撃的で、どれだけ、他の連中がひどかったのかが分かる演出は凄いと思いました。
この大学生だけ、モザイクが外れて、ウワッと思ったのですが、その後、テロップで『撮影後コンタクトを取った結果、性的な目的で使用していないことが判明しました。』とあったのですが、大学生とはいえ、20代前半の男性が、12歳のチャットに入るのって、どうなの?って邪推してしまいました。
最後の方で、直接意図を聞くシーンがあるのですが、そこでの男の言い分は「両親の躾がなってない。」「俺は悪くない。」「自制のためにしている。問題は無い。」などののクズっぷりに怒りすら覚えました。
この男の職業が、子ども達の旅行を計画する仕事をしていて、普段子どもと接点があるという絶望。
もし、俳優志望がいるのなら、このドキュメントを演技の勉強に役立てることが可能だと思うので、観ることを推奨します。
何故なら、様々な男の醜い部分が見られるのだから。
じゃあ、男だけが問題なのかという訳でもなくて、女もある常軌を逸している提案をしてくるシーンを見ると、大人の問題だと感じる訳です。
女性に対して、このドキュメントをおススメすることに躊躇しますが、世界中の男性は見るべきドキュメンタリーだと思いました。
ただ、ドキュメンタリーにおいて気になる部分もありしました。
一つは、コラージュとはいえヌード写真を男に送ったらどうなるかを試したら、ネットに流出させられているのを見て、「そうなるのだから、別の方法とかなかった?」と思いました。
二つ目は、この実験を行った後、少女を演じた心のケアって行っているのか心配になったことです。
DVDで見るには、精神的負担が大きく最後まで見られないだろうと思ので、だからこそ、強制的に放映される映画館で見る価値のあるドキュメンタリーだと思います。
なので、その分マイナスでおススメ度は98という事になりました。
tikitokなどで顔を出して活動している10代の人たちや、再生回数を増やすために、子供を出演させている芸能人全員に観て欲しいと思った次第です。