ミッドサマー

ミッドサマー 通常版 [Blu-ray]

 

おススメ度 90(その人の体験、環境によって1~10000まで変動。)

 

スタッフ・キャスト

監督
アリ・アスター
脚本
アリ・アスター
製作
パトリック・アンデション ラース・クヌードセン
撮影
パベウ・ポゴジェルスキ
美術
ヘンリック・スベンソン
衣装
アンドレア・フレッシュ
編集
ルシアン・ジョンストン
音楽
ボビー・クルリック
フローレンス・ピューダニーフローレンス・ピュー
ジャック・レイナークリスチャンジャック・レイナー
ウィリアム・ジャクソン・ハーパージョシュウィリアム・ジャクソン・ハーパー
ウィル・ポールターマークウィル・ポールター
ウィルヘルム・ブロングレンペレウィルヘルム・ブロングレン
アーチー・マデクウィサイモンアーチー・マデクウィ
エローラ・トルキアコニーエローラ・トルキア
ビョルン・アンドレセンダンビョルン・アンドレセン

 

あらすじ

長編デビュー作「ヘレディタリー 継承」が高い評価を集めたアリ・アスター監督の第2作。不慮の事故により家族を失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れた。彼らの目的は奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。太陽が沈むことがないその村は、美しい花々が咲き誇り、やさしい住人たちが陽気に歌い踊る、楽園としか形容できない幸福な場のように思えた。しかし、そんな幸せな雰囲気に満ちた村に不穏な空気が漂い始め、妄想やトラウマ、不安、そして恐怖により、ダニーの心は次第にかき乱されていく。ダニー役を「ファイティング・ファミリー」のフローレンス・ピューが演じるほか、「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、「パターソン」のウィリアム・ジャクソン・ハーパー、「レヴェナント 蘇えりし者」のウィル・ポールターらが顔をそろえる。

映画ドットコムより

 

www.youtube.com

 

前作の『へレディタリー』では、映画終盤以降、恐怖のあまり「早くこの映画終われ、早く終われ」と心の底から思いながら映画館で鑑賞した私にとって、映画館の予告でこの映画を見た時に「これは、精神的にダメージを受ける奴だ。」と思いスルーしました。

 

その後、レンタルで旧作になっているのを知って、視聴した次第。

 

見た感想は「監督のアリ・アスター、マジで何見せてくれてんだよ!!(泣き&怒り)」

でした。

 

前作の『ヘレディタリー/継承』が、家族関係の地獄を描いてるのに対して

hereditary-movie.jp

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今回の「ミッドサマー」は、閉鎖的なコミュニティに参加した際における地獄を描いていて本当に辛い。

 

大雑把な映画の内容は、主人公のダニーの妹が家のガス栓を開けっぱなしにして、家族を失う展開に。

 

その後、彼氏と民俗学を専攻している友人たちで、90年に一度開催される祭りを見にスウェーデンに。

 

そこで色々あって、ダニーが、ダンシングクイーンになったり、彼氏がクマの着ぐるみを着たり。友達がピエロの恰好したり、他の友達も目に花をつけたりして仮装しているなか、キャンプファイヤーおこなわれて、それを見届けたダニ―が笑顔になって終わっていた気がします。

 

見ていてやっぱりこの監督、性格が悪いというより、意地が悪い。

 

例えば、カルト宗教の儀式で老人の男女が崖から飛び降りるシーンで、死にきれない男性をハンマーで顔を打ち付けるシーンもちゃんと潰れた顔面を見せてくるし、タルトケーキの件や、ダニーの彼氏のクリスチャンだけ違う、オレンジジュースの色だったりと、不快さをよくこれだけ映像に出来るなと感心してしまいましたよ。

 

それでいて、映画自体は大雑把どころか、凄く細部まで丁寧に作成している所がまた恐ろしくてね。

 

凄く気色の悪いぬいぐるみなのに、近づいて見ると手作業が行き届いているのを知った時の不気味さに近いのかも知れない。

 

この映画を見て一番印象的だったのは、性交の儀式の異常さで、そこに、男性側の性的快楽は存在しなくて、女性が子供を授かるためだけの儀式であり、男性は物として扱われる訳です。

 

男性側からはこう見えたのですが、女性側からすれば、また違う見え方があると思います。

 

映画で起きる出来事は不快で、癪に障るのに、映像は美しくて、何処か垢ぬけているのがただ怖い。

 

この映画は、家族を失ったダニーが、新しい家族を手に入れる話。

だと思うのですが、その、新しい家族がカルト宗教だとしても、最後の主人公のダニーの笑顔にカタルシスを感じる瞬間はありました。

 

実質のバッドエンドだと思いますが、しんどくても、辛くても、居場所が無ければ自分が作っていくのが、一番現実的な方法なんだとこの映画を見て嫌でも思わされましたよ。

 

DVDで鑑賞しましたが、何度も停止しながらの鑑賞でした。

映画館で鑑賞していたら、多分、このブログに書かないくらいにダメージを受けたと思います。

 

そんな訳で、ミッドサマーおススメですよ。