ブラック・ウィドウ

 

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おススメ度  90

 

※映画のネタバレあります。

 

www.youtube.com

 

あらすじはこんな感じです。

 

解説

アベンジャーズ」シリーズをはじめとしたマーベル・シネマティック・ユニバースMCU)の各作品で活躍した、スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウが単独で主役を務めた作品で、孤高の暗殺者だったブラック・ウィドウがなぜアベンジャーズになったのか、知られざる物語が明らかにされる。物語の時代設定は「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」と「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」の間で、ブラック・ウィドウがアベンジャーズから離れていた時期に起こった出来事を描く。ブラック・ウィドウの前に突如現れた、“妹”エレーナ。姉妹は、自分たちを暗殺者に育てたスパイ組織「レッドルーム」の秘密を知ったことで命を狙われる。唯一の味方は、かつて組織が作り出した“偽りの家族”だけだった。しかし、その家族の再会によってレッドルームの恐るべき陰謀が動き出す。エレーナ役は「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」でアカデミー助演女優賞にノミネートされたフローレンス・ピュー。監督は、「ベルリン・シンドローム」のケイト・ショートランド。2021年7月8日から劇場公開され、7月9日からDisney+でも配信(追加料金が必要なプレミアアクセスで公開)。

2021年製作/134分/G/アメリ
原題:Black Widow
配給:ディズニー

以上、 映画.comより

 

 

 

映画の予告編で知った時は、マーベル映画にとって箸休め的な位置にある映画だなと思っていたのですが、その後、コロナウイルスによる上映期間が延期し続ける状態になっていたので、こうして映画館で鑑賞できること自体が嬉しい訳です。

 

上映最初のマーベルのキャラクターが登場した後に表示される『マーベル』の文字を見て胸が一杯になりました。

 

上映期間が延期されたため、否応にも映画のハードルが上がっているので少し不安もあったのですが、そこはマーベル、一定以上のクオリティに仕上げてきていましたよ。

 

退屈させない構成と、アクション。そして映画のテーマやメッセージ性など、マーベルスタジオの健在を示した映画でしたね。

 

最初穏やかな日常から、一気に緊張感が上がる展開も良かったですし、基本アクションパートは飽きさせない工夫があって楽しめました。

 

ブラックウィドウが移動するたびに、街を空撮しているシーンにでっかいテロップで『ブダペスト』『ノルウェー』とか街の名前がでる演出があるのですが、丁寧に繰り返してくるので、お約束のギャクみたいになってきたあたりで、今回の敵であるスパイ組織の『レッドルーム』と表示された時は、テンションが上がりましたね。

 

映画を見ていて印象的だったのが、ブラック・ウィドウを初め、女性のセクシーショットが無かった事でした。

 

身体のラインを見せるだの、胸のアップのシーンなどの無意味なセクシーシーンが無いことが新鮮だったのです。

 

そもそも、観客として男性が多くて、監督も圧倒的に男性が多い映画界において、女性のサービスシーンは当たり前に撮影するものになっていたと思うのです。

 

セクシーシーンを映画から無くなれば良いと思ってはいません。

映画によって必要ならば撮影すべきだと思います。

 

レザースーツを着ていて、身体のラインが見えるデザインであるから、より監督は意識して撮影していると考えています。

 

他にも、今回の敵役でもある、スパイ組織レッドルームのボスでもある『ドレイコフ』が最悪でしたね。

 

女子を無数に誘拐しては、その中から素質のある人間だけを殺人マシーンのスパイに育て上げて、後は処分するというクズっぷり。

 

この男が、ブラック・ウィドウやその他のスパイに施した手術に置いては、最低、最悪の人権侵害なので、あまりの酷さに、少し映画の世界から素に戻るくらいの怒りを感じていました。

 

そういう意味では、映画キャラクターとして成功している訳なので、まんまとマーベルの手のひらに、回された格好になってしまいました。

 

ブラック・ウィドウがレッドルームに乗り込んでドレイコフと対峙したシーンも最悪でしたが、良かったです。

 

ドレイコフの匂いを嗅ぐと攻撃することが出来なくなる、フェロモンバリアなる物で、自分を守る所とか最低でしたな。

 

自分に危害を与えられない状態を作っておいて、相手にビンタをするフリをして威嚇する所なんて本当に見ていて不快でしたよ。

 

そこには、男社会が、女性を搾取する問題もあると感じました。

 

フェロモンバリアって、社会における権力や、肩書をイメージした演出だと思う訳です。

 

決して強くもない敵が、自信満々なのはそれらに守られているからという、格好悪さを表現していたので、見ていて演出が上手いなぁと感心していました。

 

 そのあと、フェロモンバリアを断ち切る方法として、机に頭を打ち付けて額から血をだしながら神経を切ることで、フェロモンバリアを打ち破ってぶん殴るブラックウィドウが凄い恰好良かったです。

 

シリアスなシーンが続くと、ギャクシーンを入れて来るバランスもあって、映画自体は重苦しく無く、テンポよく進んでいきます。

 

映画の中で、ブラック・ウィドウの着地シーンをいじったりと、アベンジャーズを見ているとニヤリど出来るシーンもあるので、見ていてコロナが無ければと思いましたよ。

 

しかし、全て最高ではなくて気になる所もありました。

 

●ストーリーが明らかに詰め込み過ぎていて、134分あるのにそれでも駆け足な感じは否めなかった。

 

●ドレイコフが最低なので、もっと苦しみを味わいながら最期を迎えてほしかった。

 

とかあるのですが、総じて凄く楽しめた映画だったので、ブラック・ウィドウが活躍するればするほど、エンドゲームのシーンを知っているばかりに切ない気持ちになってしまいました。

 

しかし、ブラック・ウィドウの家族が全員スパイで偽物だったショックを受け止めて、最後には、「私にはふたつの家族がいる。」と言うまでになったシーンを見ると、血じゃない家族の形を見つけることが出来て良かったなぁと思いました。

 

箸休めの映画なんて思っていたのはとんだ誤りでした。

 

是非、映画館でご覧ください。