シャン・チー/テン・リングスの伝説

www.youtube.com

おススメ度 93

 

 

 

※映画の内容に触れますので、未見の方はご注意ください。

 

あらすじは、こんな感じ

アベンジャーズ」シリーズを中心にマーベル・シネマティック・ユニバースMCU)を展開するマーベル・スタジオが、最強の力を持ちながらもそれを封印してきた心優しきヒーロー、シャン・チーを主人公に描くアクション大作。犯罪組織を率いる父に幼いころから厳しく鍛えられ、最強の存在に仕立て上げられたシャン・チー。しかし心根の優しい彼は自ら戦うことを禁じ、父の後継者となる運命から逃げ出した。過去と決別し、サンフランシスコで平凡なホテルマンのショーンとして暮らしていたシャン・チーだったが、伝説の腕輪を操って世界を脅かそうとする父の陰謀に巻き込まれたことから、封印していた力を解き放ち、戦いに身を投じる。「アイアンマン」シリーズなど、これまでのMCU作品で名前が登場していた犯罪組織「テン・リングス」の謎が明らかにされる。主人公のシャン・チー役には中国系カナダ俳優のシム・リウが抜てきされ、トニー・レオン、オークワフィナ、ミシェル・ヨーら実力派俳優が共演。「黒い司法 0%からの奇跡」のデスティン・ダニエル・クレットン監督がメガホンをとった。

2021年製作/132分/G/アメリ
原題:Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings
配給:ディズニー

 

監督
デスティン・ダニエル・クレットン
製作
ケビン・ファイギ ジョナサン・シュワルツ
製作総指揮
ルイス・デスポジート ビクトリア・アロンソ チャールズ・ニューワース
共同製作
デビッド・J・グラント
原案
デイブ・キャラハム デスティン・ダニエル・クレットン
脚本
デイブ・キャラハム デスティン・ダニエル・クレットン アンドリュー・ランハム
撮影
ウィリアム・ポープ
美術
スー・チャン
衣装
キム・バレット
編集
ナット・サンダース エリザベット・ロナルズドッティル ハリー・ユーン
音楽
ジョエル・P・ウェスト
音楽監修
デイブ・ジョーダン
視覚効果監修
クリストファー・タウンゼント
ビジュアル開発監修
アンディ・パーク


シム・リウ
オークワフィナ
メンガー・チャン
ファラ・チャン
ロリアンムンテアヌ
ベネディクト・ウォン
ミシェル・ヨー
トニー・レオン
ユン・ワー
アンディ・リー
ロニー・チェン

以上、映画.COMより

 

 

感想の前に、関係あるような、ないような雑談を少し。

 

正直、映画の予告を見た時は内心「これ、面白くなるの?」とか思っていました。ついでに言うと「成程ね、カンフーアクションね、はいはい。」とか分かった気になっていましたが、過去に『マイティー・ソー』の予告を見た時も同様の考えをもっていたので、考えを改めました。

 

『マイティー・ソー』の時も「ハンマーで戦う、鎧を着たヒーローで面白く出来るの?」何て思っていましたが、今では『マイティ―・ソー』はマーベルシリーズでも上から数えた方が早いくらい好きな作品になっています。

ここから感想となります

超絶にザックリ映画のあらすじを伝えると、シャンチーが幼少の時、母親からもらったペンダントを、暴漢から奪われてしまう。

それを取り戻すために行動すると、そこには、幼少の時に生き別れた妹と再開したのだった。

そのあとも、幻の都で父親と戦ったり、父親が呼び覚ましたモンスターを、中国版ファルコンで向かい打って、最後シャン・チーの内なる力が解放されて、モンスターを撃破。

その後、妹の父の残した秘密組織を引き継ぎ、シャン・チーとケイティは、ウォンから呼び出されて、キャプテン・マーベルや、ハルクと顔を合わせて、新たな物語を感じさせつつ、最後ウォンと3人でカラオケで『ホテルカルフォニア』を絶唱して終わってましたよ。

ハルクが人間の恰好で腕を吊っていたので、時間軸がエンド・ゲーム後だというのが分かる演出も良かったです。

新・アベンジャーズの口火を切る作品として注目していたのですが、マーベルのストーリーテーリングの上手さを感じたエンターテイメント映画を楽しめましたよ。

まず、主人公と行動を共にするケイティは、シャン・チーと共に、ホテルの運転係をしていて、宿泊客の高級車を停車する前に乗り回したりするはっちゃっけぷり。

 

刹那的な行動や、名門の大学を卒業しているが、その学んだ事とは無縁の職業に就いている理由として、サノスによる人口半減指パッチンから、人口が戻った世界のため、長期的な目的に向けて努力することに対して、『ある日突然、消えてしまう。』といった無力感が根底にあったりするのが、日常のリアリティを感じましたな。

 

何より、冒頭のバスの中でのアクションシーンは坂道の多いサンフランシスコの地の利を生かしたスピード感溢れるシーンとなっていて、見ているだけでワクワクさせてくれる名シーンでした。

 

って身体が反転して落下する描写を良く見かけるが、この描写って私の記憶だと、『タイタニック』あたりが最初だったような気がします。

 

そうすると、CGにおけるパロディというか、リスペクト的表現なのだろうかと勝手に思っていたのですが、どうなのでしょうかね。

 

父と子の対決シーンも、冒頭の母親が駆使した拳法でシャン・チーが立ち向かうシーンも演出的な上手さを感じましたし、何よりも父親のシュー・ウェンウの佇まいが格好良い、2021年現在、世界で一番手抜きグローブが似合う俳優として語り継がれると思いました。

世界中で、手抜きグローブの売り上げが上昇するのではないでしょうか。

 

他にも、幻の都に住む動物達の可愛らしさや、トレヴァー・スラッタリーの存在感も良かったです。

 

ハリウッド映画の歴史において、現場では、白人の役者が大部分を占めていた歴史があるなか、この作品は、大半の演者がアジア系で占められていて、白人の役者が少数派となる現場になる訳で、そのアウェー感はかなりの物と想像していました。

 

鑑賞中、映画『ブラックパンサー』のエヴェレット・K・ロスを重ねていましたが、そんな重圧をまったく感じさせない演技で凄く良かったなと思いました。

 

でも、ひとつだけ気になった所があって、最後の物語展開として、ケイティが放つ弓がモンスターの喉笛を貫通⇒その隙にシャン・チーの内なる力が解放しての決着は、凄く違和感があったというか、ここまで物語を紡いできたのに、急におざなりになったというか、偶然が重なって行く展開になってしまったのは残念だったなと。

 

例えば弓矢の師匠が腕を負傷して弓が弾けなくなって、目測が師匠、ケイティが代わりに弓を打つ展開なら、自分を超える力が発揮出来た理由付けは何とでもできるはずなのになぁ~と感じました。

 

それと、弓矢を放った後「ウソ?」と言わせてしまうのを見て、そこは「やった!!」とかで良かったのではないか?と思いましたな。

気になった所はこれぐらいで、映画としてはとても面白かったし、新・アベンジャーズシリーズの口火を切る作品としても期待を持てる映画でしたよ。

何度も書きますが、このご時世もあって、最後のカラオケシーンの開放感が際立って、少し感極まりました。

あと、シャン・チーとケイティ―が恋愛関係にならないのも、現代的なアプローチだなと思った次第です。

 

映画としては及第点を越えている作品なので、興味ありましたらぜひご覧くださいませ。