『ROCA』を読んだ感想。

いしいひさいち著『ROCA』の感想を書こうと思うが、その前に。

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こちらの専用ホームページから購入できますので、興味ありましたら是非。

※今回、漫画の内容について書きますので未読の方はご注意ください。

これは、ポルトガルの国民歌謡『ファド』の歌手を目指す高校生、吉川ロカと、親友で年上の同級生、柴島実乃の話になるのですが、この漫画で『ファド』の存在を知りました。

元々4コマ漫画『ののちゃん』で不定期に吉川ロカの話が連載される時があったので、今回こうして作品として読める事は嬉しいの一言でした。

『ROCA』の主人公である吉川ロカは、普段はこんな感じなのですが。

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歌えば、圧倒的な歌唱力を持っていて、この漫画では吉川ロカが歌うシーンだけ、頭身と絵柄を少し変えて描かれています。

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普段は平面で描かれている中、歌唱シーンでは下から見上げるような角度で描かれたりと、吉川ロカが歌う瞬間、何かが憑依したかのようなパフォーマンスを兼ね備えていることを絵柄で表現する、いしいひさいちの演出力に驚きました。

吉川ロカがストリートライブで披露してのは『コインブラポルトガルの4月』という曲なのですが。

ちなみに、こんな感じの曲になります。

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親友の柴島実乃との関係性も良くて、実乃はストリートライブに顔を出したり、ロカの背中を後押ししたり、電話で励ましたりするのですが、ロカが実乃の事を信頼しているのが伝わってくるのと、実乃は言葉で伝える代わりに行動で示しているのが見ていて良いんですね。

だからこそ、最後のコマを見た喪失感は大きくて、表現する言葉が見つからず、何度も何度も読み返しました。
読み終わった後、映画『グット・ウィル・ハンティング 旅立ち』ラストを思い出しました。
『ROCA』を購入するとお礼のメッセージと共に『ROCA』のその後を示した漫画の一コマが描かれている紙が同封されていて、それは物語の広がりを感じさせるもので、最後まで楽しみました。
この漫画が現在通販のみでの販売というのが口惜しい。
出版されて、沢山の人に届いて欲しいと切に思うばかりです。