『北極百貨店のコンシェルジュさん』

 

 

おススメ度 97

 

※ネタバレあり。

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解説

第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞した西村ツチカの同名コミックをアニメーション映画化。

従業員は人間だがお客様はすべて動物である「北極百貨店」の新人コンシェルジュ・秋乃は、フロアマネージャーや先輩コンシェルジュに見守られながら奮闘する日々を送っていた。百貨店にはあらゆる種類の動物たちがやって来るが、その中でも「絶滅種」である「V.I.A(ベリー・インポータント・アニマル)」は個性派ぞろい。妻を喜ばせたいワライフクロウ、父へのプレゼントを探すウミベミンク、プロポーズに思い悩むニホンオオカミなど、それぞれ悩みを抱える動物たちの思いに寄り添うべく奔走する秋乃だったが……。

テレビアニメ「ボールルームへようこそ」の板津匡覧が劇場アニメ初監督を務め、テレビドラマ「凪のお暇」の大島里美が脚本、「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズのProduction I.Gがアニメーション制作を担当。

2023年製作/70分/G/日本
配給:アニプレックス
劇場公開日:2023年10月20日

以上、映画.comより引用

 

♬なんでも~そろう~北極百貨店~♬のメロディが頭から離れない。


予告編を映画館で観た時に「線が綺麗なアニメだな。」という印象があり気になったので、鑑賞しました。


お客様の要望に対してはYESで応えるのがコンシェルジュの仕事の流儀。

 

動物のお客様のみが集う北極百貨店には様々な要望がコンシェルジュに集まり、それに応えようとする新人コンシェルジュの秋野が奮闘する訳ですが、仕事と向き合った経験がある人ならば、冒頭での熱意だけが先行して空回りしてしまう主人公に既視感を持ったはず。


バタバタしてしまい、思い描いていた自分とはかけ離れた現状に落ち込んでしまったりと、職種は違えども主人公の行動をみながら「わかる~。」と心の中で呟きながら見ていました。

 

あと、神出鬼没のフロアマネージャーの藤堂が本当に神出鬼没すぎて少し笑ってまったのですが、スープが入った寸胴から登場した時は面白さよりも「それは、流石にやり過ぎではないか?」という困惑が上回ってしまい、何とも言えない感情になったりもしましたが、映画の魅力が損なわれる事はないのでご安心ください。

 

キャラクターについては、こちらのサイトで公開しています。

hokkyoku-dept.com

 


70分の上映時間でありながら、120分の映画を観たような満足感があった。

 

最初は上映時間が短いと思っていたのですが、物語のストーリーと共に主人公がコンシェルジュとして成長する過程がリンクしているので、まったく短さを感じない映画でした。

 

映画では『接待先のワライフクロウ夫婦へのプレゼントに悩むフェレット』『ウミベミンク親娘が互いに送るプレゼントの提案』『オスの二ホンオオカミがレストランでプロポーズするためのお手伝い』『バーバリーオオカミの男の子が持ってきた栞についた匂いと同じ香水を探す』『マンモスの芸術家ウーリーが展示した彫刻を倒してしまった猫と秋野のストーリー』が70分の中でテンポ良く進み、それが、先述したように秋野のコンシェルジュとしての成長物語としてリンクしているので、物語の構成力が良いと思いましたな。


成長を見守る眼差しを感じられる傑作アニメーションでもあった。


バーバリーオオカミの男の子が持ってきた栞についた香水を探すにしても、人間の嗅覚では感じ取れない僅かな匂いを動物のお客様が嗅ぎ取って香水を割り出したりと、協力する姿勢が心を打ちました。


なかにはクレーマーも存在して秋野に土下座を強要しようとするのですが、先輩のコンシェルジュが機転を利かせて秋野の窮地を救ったりと、成長を見守る描写がちゃんとあるので鑑賞中ストレスを感じなかったもの良かった点でした。

 

働く事の厳しさや、楽しさを70分で共有できるこの映画は、自分にとって傑作でした。

 

映画を観終わっても、人間の欲望で絶滅に追いやった絶滅危惧種も来店する『北極百貨店』のこれからを見たくなる。そんな映画でした。

 

漫画が原作なので、チェックしようと思っています。

 

 

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