師走だし、気が付けばもう今年も終わるしで、2023年11~12月に観た映画の感想をオムニバス方式で書いておこうと思いました。
巨匠、マーティン・スコセッシが贈る、上映時間3時間26分の超大作映画なのですが、自分の映画人生でこれ以上の上映時間が長い映画を観る事は無いと思うくらいの映画体験。
この映画は、レオナルド・ディカプリオの顔芸とも言える表情の演技を堪能する映画でもあります。
私の中では『シャイニング』のジャック・ニコルソン級の顔のインパクトがありました。
幼少の時は、西部劇を観てインディアンから街を守る保安官の活躍で恰好良いなと思っていましたが、成長するにつれて完璧なプロパカンダと知り、楽しめなくなった思い出があるのですが、この映画で白人が先住民族に対して行った事を目の当たりにするとその思いは決定的になりました。
一言で言えば利権のためなら、手段を選ばない醜悪さ、気持ち悪さ、非人道的な行い。
どれも擁護できない。
キリスト教以外の宗教も認めない、白人以外だったら、殺しても構わないとする差別主義。これが事実だというのが驚きだった。
普通ならば重苦しくなるテーマにも関わらず、映画としてエンターテインメントになっているのが驚愕。もう一度書きます、驚愕しました。
ロバート・デニーロも出演していて、デニーロの顔芸も最高でした。
3時間を越える上映時間を成立させたのは、この二人の顔の演技だと思った次第です。
SNSで白髪の鬼太郎とスーツを着た男性のイラストが急に増え始めたので、牧歌的なイラストのイメージでこの映画を観に『入村』したのですが、映画を観て「おいおいおい、ウソだろ・・・」と思ったりしましたが、凄く良かったです。
戦後日本経済が復興した背景と妖怪を見事にリンクさせている脚本も良かったですし、キャラクターですよ、水木がある人物に吐き捨てた「あんた、つまんねぇな。」は経済至上主義に対するアンサーでもあるし、映画のカタルシスにもなっていて、胸がすく思いでした。
水木、あんた最高だったぜ!!!
目玉の親父があんなイケメンだったとは「人間が一番怖いよ。」何て、手垢にまみれたテーマを「こう表現するのか!!」と思いましたし、人間が持つ理性で制御出来なくなった狂気性もあって、本当にあのクソジジイが嫌いになりました。
そんな訳で、今年もブログを見ていただきまして、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
それでは、良いお年をお迎えください。