JOKER

ジョーカー [Blu-ray]

おススメ度 96

 

www.youtube.com

 

解説
バットマン」の悪役として広く知られるジョーカーの誕生秘話を、ホアキン・フェニックス主演&トッド・フィリップス監督で映画化。道化師のメイクを施し、恐るべき狂気で人々を恐怖に陥れる悪のカリスマが、いかにして誕生したのか。原作のDCコミックスにはない映画オリジナルのストーリーで描く。第79回ベネチア国際映画祭で、DCコミックスの映画作品としては史上初めて最高賞の金獅子賞を受賞して大きな注目を集め、第92回アカデミー賞でも作品賞ほか11部門でノミネートされ、主演男優賞と作曲賞を受賞した。「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きるアーサー。しかし、コメディアンとして世界に笑顔を届けようとしていたはずのひとりの男は、やがて狂気あふれる悪へと変貌していく。これまでジャック・ニコルソンヒース・レジャー、ジャレット・レトが演じてきたジョーカーを、「ザ・マスター」のホアキン・フェニックスが新たに演じ、名優ロバート・デ・ニーロが共演。「ハングオーバー!」シリーズなどコメディ作品で手腕を発揮してきたトッド・フィリップスがメガホンをとった。

2019年製作/122分/R15+/アメリ
原題:Joker
配給:ワーナー・ブラザース映画

 以上、映画.COMより

 

 
映画の感想としては、心ある主人公が、少しずつ孤立や貧困で追い詰められていく過程が、切実で痛々しい。
 
終始、切り傷に塩を刷り込まれるような感覚があって、他人事とは思えなくてねぇ。
 
 
 良かれと思っていう何気ない言葉が、呪いとして苦しめてくることもあって、この映画だと、ジョーカーが母親から言われてきた「苦しい時こそ笑顔を」がそれにあたると思ったし。
 
自主的に決めたのか、他人から強制されたのかでは意味が変わってきて、何かを強制してくる人間には、命をかけてでも抵抗しなくてはいけないと思う訳ですよ。
 
この映画を象徴する階段は、映画の演出にとって、登っていくことが、希望や夢であり、下っていくことは、絶望や、不幸の表現として使用されていると聞く。
 
この映画では、肩を落としながら階段を上り、ジョーカーに変身後は、ノリノリで階段を下りて行く。
 
映画の演出から見ると、逆転している訳です。
 
ジョーカーの自ら率先して、不幸や絶望の社会に足を踏み入れる破滅願望に、私は憧れを抱いてしまう。
 
この映画を観てどう思ったか、それが今の状況をあぶり出すリトマス試験紙のような映画になっていると感じました。
 
これを鼻で笑える人間は幸せだと思うけど、でもそれは、いつでもひっくり返ると思うだけでも意味はあって、この映画はフィクションだけど、フィクションではなくて、地続きで現在につながっている映画だと思います。
 
話は全然変わって、好きなことや物に対して語ることがあるけど、たまに「熱く語るねぇ。」なんて水をかけて来る人が本当に嫌でね。
 
自分の思ったままに行動することが、世間の常識や道徳から著しく外れていったのがジョーカーなので、それに賛同はできないが、心の何処かで憧れを持ってしまう自分がいたのも本当なので、ある意味魅力的なダークヒーローの誕生前夜の物語として、傑作だと思いましたよ。
 
ジョーカーを自分と重ねることが出来る人間ほど、心に突き刺さる映画だと思います。
 
映画館で鑑賞した際、上映後帰るときに若者数人が、ジョーカーの笑い声を真似しながら帰っていったのが印象的でした。
 
この映画体験を含め、おススメ度は96となりました。