インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

 

オススメ度 93

 

 

※ネタバレあり

 

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解説

ハリソン・フォード演じる考古学者インディ・ジョーンズの冒険を描くアドベンチャー映画の金字塔「インディ・ジョーンズ」シリーズの第5作。前作から15年ぶりの新作となり、過去4作でメガホンをとったスティーブン・スピルバーグジョージ・ルーカスとともに製作総指揮を務め、「LOGAN ローガン」「フォードvsフェラーリ」のジェームズ・マンゴールド監督にメガホンが託された。

考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズの前にヘレナという女性が現れ、インディが若き日に発見した伝説の秘宝「運命のダイヤル」の話を持ち掛ける。それは人類の歴史を変える力を持つとされる究極の秘宝であり、その「運命のダイヤル」を巡ってインディは、因縁の宿敵である元ナチスの科学者フォラーを相手に、全世界を股にかけた争奪戦を繰り広げることとなる。

宿敵フォラー役を「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」「アナザーラウンド」など国際的に活躍するデンマークの名優マッツ・ミケルセン、インディとともに冒険を繰り広げるヘレナ役をドラマ「Fleabag フリーバッグ」「キリング・イヴ Killing Eve」のクリエイターとしても知られるフィービー・ウォーラー=ブリッジが務める。そのほか、「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」にも登場したサラー役のジョン・リス=デイビスがカムバック。スペインの名優アントニオ・バンデラスも出演する。シリーズおなじみのテーマ曲を手がけた巨匠ジョン・ウィリアムズが引き続き音楽を担当。

2023年製作/154分/G/アメリ
原題:Indiana Jones and the Dial of Destiny
配給:ディズニー

以上、映画.comより

 

子供の頃テレビで見てた、あのインディー・ジョーンズが帰ってきた。

 

子供の頃、週末となるとロードショー番組を見る事が楽しみだった。

昔のラインナップは、急にホラー映画を放送したりするので、どんな映画が放送されるのかも含めてドキドキしていた。

その中で、インディー・ジョーンズシリーズが放送されていると、得した気分になって、眠たい目を擦りながら見ていた記憶がある。

そんな主演を演じたハリソンフォードが81歳を迎え、最後のインディー・ジョーンズと聞かされたら見に行かざるを得ない。

見ようと思ったらすぐ行動あるのみ、家族とのメールをここに掲載する。

濃い青の吹き出しが私である。

 

 

映画を見に行く、速度感とライブ感を共有していただきたかった。

 

80年代アクション映画の荒い部分も含めて表現した部分に、製作者の愛を感じた。

 

若い時のインディー・ジョーンズの活躍からスタートしてから、ジェットコースターのごとく、アクションシーンが連続で続く構成。

ナチスドイツが戦利品で奪った骨董品から、運命のダイヤルを奪い返すインディー・ジョーンズ。

 

パレードを馬で駆け抜たり、小型の三輪タクシーでカーアクションしたりと、

これこそ、子供の頃に見ていたインディー・ジョーンズそのもので感涙しました。

 

80年代アクションの荒い部分と書いたのは、良い意味での脇の甘さと言うか、「そうはならないだろうに。」という物語の展開だったり、登場人物の行動原理だったりするのですが、この映画に関して言うとそれは無粋と言うもの。

映画に隙があろうとも、インディー・ジョーンズのメインテーマと、帽子と鞭がスクリーンに登場したら、テンションが上がりまくりました。

この映画を一言でいうならば「そんな細かいこたぁいいんだよ!!」なのですから。

 

そもそも、運命のダイヤルが二つ揃うと時空を越えられる設定がある時点で、何でもアリなのですから。

何でもアリとは書きつつも、映画としては破綻していないバランスなので、見ていて映画に集中出来ました。

 

ナチスドイツの敵役が少し印象が薄い部分もありましたが、そこは名優マッツ・ミケルセンの存在感でカバーしていましたな。

ただ、冒頭の列車の上での格闘シーンを見た限り、無事で済まない速度で木にぶつかって退場したので、てっきり亡くなったのかと思っていたのですが、無傷で登場した時は少し違和感がありました。その時のカメラワークが下から上に向かって顔を映すしていたので、何かしら顔に傷があったり、眼帯を装着していたりするのではと、期待したのですが、顔が無傷のままで普通に登場したので、拍子抜けしました。

映画の筋とは関係ないのでどうでも話ではあるのですが。

 

ヒロインのヘレナに感じた違和感と向き合う。

 

ヘレナは、活動的で、お金のためになら親友を裏切るのも躊躇しない、自分の考えた事に対して忠実に行動しているが根は良い奴。と言った感じなのですが、端的に言えば、憎めないクソ野郎。と言ったところでしょうか。

このヘレナが登場した時に、一瞬、「いけ好かない奴が登場したな。」と思ったのですが、「ちょっと待てよ。」と思い直しました。

ヘレナ的なキャラクターが、男性だったら、違和感無く見ていたでしょう。

これはその違和感に、違和感を感じなくてはイケナイ案件だなと感じました。

アウトローなキャラクターが女性が演じた途端に、酷い奴だな。と思う事自体、無意識的な差別意識があったなと、自覚しました。

 

これから、ヘレナのようなキャラクターが登場していくべきだなと、これにより、凝り固まった規範を揺さ振って欲しいなと思った次第です。

 

インディー・ジョーンズシリーズの最後に相応しい作品だった。

 

ここからは、ネタバレしますが、ナチスドイツの残党が、運命のダイヤルを奪還して、ナチスドイツが戦争で勝利するために、ダイヤルを戻して時空の歪に爆撃機で入っていくものの、行きついたのは古代ローマの戦争風景。

そこには、ダイヤルを製作者したアリストテレスが存在していた展開は、滅茶苦茶に良くて、痺れました。

古代ローマの武器で爆撃機を墜落させようとするシーンは、絶対に見る事の出来ない光景なわけで、それを見られただけで、映画という存在価値がこういう所にあると確信しました。

 

時空の歪にインディージョンズの仲間が運転していたセスナも入っていたことで、元の世界に戻れる体制は整っているものの、インディー・ジョーンズが古代ローマに残ると決意するシーンはグットきました。

 

奥さんとも分かれ、息子も戦争で亡くし、自分の戻る居場所は元の世界には無い。

 

その絶望感から、インディー・ジョーンズが頑として古代ローマに残ると言い始めるシーンは、年齢を重ねたハリソン・フォードと重なってより切実さが増した名シーンなのですが、最後はヘレナがインディー・ジョーンズを殴ってセスナに乗せて元の世界に戻っていました。

ヘレナ、グットジョブ。

 

そんなこんなで、元の世界に戻り、自分のアパートで目が覚めるインディー・ジョーンズ。

そこで彼が目にしたのは、ヘレナと冒険仲間、そして、別れたはずの奥さんだったいうね。

 

奥さんとキスをして、外に干されているトレンドマークでもある帽子を手を伸ばして、取るところで映画がスタッフロールになりました。

 

過去では無くて、未来を目を向けようぜというメッセージを勝手に受け取って、涙ぐみましたよ。本当に。

 

スタッフロールで、あのメインテーマが聞けて感無量でした。

 

ただ、ひとつ気になった事があって。

この映画、途中でヘレナと少年が加わるのですが、この少年がナチスの残党に捕まり、相手と自分に手錠を掛けられて連行されていった際に、つり橋から足を滑らして少年共々落下するシーンの後で、水の中で金網に子供が出られるくらいの穴が空いていて、少年が手錠のカギを取り、自分の手錠を外し、その外した手錠を金網にセットして、脱出するシーンがあるのですが、そのシーンを見て、がっかりしました。

何故なら、子供に殺人をさせているシーンだからです。

その後、金網に手錠をセットされた人物が、助けられたシーンも無ければ、それ以来登場しません。

という事は、多分そのまま溺死したと考えられます。

なので、その後自力で脱出して、水面から顔を出しながら「あのガキ、覚えていろ。」のシーンが必要不可欠なのです。

 

こういう話をすると、「映画だろ?本気になるなよ。」と言ってくる人間もいますが、それは違う。「映画だからこそ、死守しなくてはいけないのです。」

 

これは品性の話になるので、話が平行線なりやすいのも理解しているのですが、この部分は見ていて凄く嫌な部分でした。