※映画の内容に触れますので、未見の方はご注意ください。
あらすじはこちら。
英国推理作家協会賞やスウェーデン最優秀犯罪小説賞などを受賞したアンデシュ・ルースルンドとベリエ・ヘルストレムのベストセラー小説「三秒間の死角」を、「スーサイド・スクワッド」「ロボコップ」のジョエル・キナマン、「ゴーン・ガール」のロザムンド・パイクの共演で映画化。模範囚として刑務所で服役中だったピートは、自由の身と引き換えにFBIの情報屋として極秘裏に捜査協力することに。そして、その最後の任務として麻薬組織への潜入を任される。ピートは組織のリーダーから刑務所内での麻薬取引を仕切るよう命令され、競合組織を壊滅させたが、ピートの動きを嗅ぎまわっていたニューヨーク市警の横やりによってFBIに裏切られ、FBI、マフィア、NY市警、囚人たち、すべての組織から命を狙われる危機的状況におちいってしまう。主人公ピート役をキナマン、FBI捜査官ウィルコックス役をパイクが演じるほか、コモン、クライブ・オーウェンらが脇を固める。監督は「エスコバル 楽園の掟」のアンドレア・ディ・ステファノ。
以上、映画.COMより。
- 監督
- アンドレア・ディ・ステファノ
- 製作
- ベイジル・イバニク
- エリカ・リー
- マーク・レイン
- ロバート・ジョーンズ
- ジェームズ・ハリス
- ウェイン・マーク・ゴッドフリー
- 製作総指揮
- ジョナサン・ファーマン
- アレックス・ウォルトン
- オリー・マッデン
- アンダース・エアデン
- アンドレア・スカルソ
- サイモン・ウィリアムズ
- ジェフ・ライス
- ガブリエル・ナポラ
- ヤス・ターラット
- ローワン・ジョフィ
- リー・ブローダ
- ショーン・サングハーニ
- ビシャル・ルングタ
- シェリー・ブラウニング
- ウィリアム・サドラー
- デビッド・ディナースタイン
- ジェイソン・レスニック
- 原作
- アンデシュ・ルースルンド
- ベリエ・ヘルストレム
- 脚本
- マット・クック
- ローワン・ジョフィ
- アンドレア・ディ・ステファノ
- 撮影
- ダニエル・カッツ
- 美術
- マーク・スクルートン
- 衣装
- モリー・エマ・ロウ
- 編集
- ヨープ・テル・ブルフ
- 音楽
- ウィル・ブレア
- ブルック・ブレア
- 音楽監修
- クリス・ピッカーロ
おススメ度 90
この映画は何となくレンタルして鑑賞したのですが、とても面白く、楽しめましたよ。
潜入捜査がバレた警察官が、マフィアに存在がバレて消された場合は、他の警察官に知らせるメッセージとして、遺体から舌を切り取ることをこの映画で知るのでした。
それだけでも、普通に怖いと思ったのですが、そのことについては、警察官側も動揺もあまりせずに、日常の一部として処理している感じが一番怖かったです。
アメリカの刑務所描写は私にとって、ホラー表現に匹敵するほどの恐怖を感じるのですが、10年以上前に、海外のテレビドラマで『OZ』というアメリカの刑務所に収容された囚人達の日常を描いたドラマがあって、それもホラー映画として見ていました。
この恐怖は、「もし、自分が収監されたらどうなるだろうか。」想像から湧き出る恐怖でもあるのですが、身体を鍛えただけでは、生き抜くことのできない監獄の生活を考えただけで背中がゾッとしてしまう。
そんな訳で2019年に制作された映画の刑務所描写は、『OZ』と同じく、人種やコミュニティによる派閥から発生するパワーバランスによる駆け引き、暴力や殺人、看守に賄賂を渡しての交渉など、ほとんど変わらないのが印象的でしたね。
監督の「刑務所に入ると、こんなに大変な目に合うから、真面目に生活しろよ!!マジで!!!!」というメッセージを勝手に受け取りました。
個人的に印象的なシーンとしては、主人公のピートが、姑息なFBIの連中の取引で、愛する家族を守るため、刑務所に潜入捜査をするのですが、そのためには、収監されなくてはいけない。
そこで、ピートが自宅で奥さんと淡々と台所のお皿を床に並べて、お互いハグしてからの、奥さんが警察に電話が繋がった後ろで、並べたお皿をバットで叩き割りながら怒鳴り散らすシーンが、凄く悲しくて映画として名シーンだと思いましたね。
パトカーが自宅に到着する前に、奥さんが、額に砕けたお皿の破片で切り傷を作る所とか、丁寧な描写が映画のリアリティに一役買っていると感じました。
この映画の副題にもなっている、三秒間の死角って何ぞや?
って話なんですが、主人公が看守(コイツが潜入捜査の理由になった重要人物。)を後ろから羽交い絞めにして、スナイパーが射撃できるギリギリの場所から様子を伺う。⇒スナイパーが主人公をスナイプする。⇒実際にスナイプされたのは、主人公ではなく、直前に服を交換させられていた看守だった!!!
つまり、主人公と看守が服を交換してわざとスナイプされる場所にまで移動した。この三秒間のことを指していた訳です。
映画の題名である、インフォーマーは、『密告者、スパイ、通知者』という意味なのですが、タイトルでそれだけだとすると、内容がイマイチ分からない部分もあるので、副題の『三秒間の死角』は必要だと思いましたよ。
ラストシーンに向けての、公園で子供と奥さんが主人公と会うのを待っているなか、私服警察官が監視している公園から、足早に立ち去る主人公の雰囲気は、ジョン・ウイック的でもあったし、現代のハードボイルド映画にも見えて良かったです。
あえて主人公役に知名度がまだ知られていない役者を起用することも、この映画のリアリティを引き上げている要素になっているのだと思います。
個人的には、この主人公の第二弾の映画も鑑賞してみたいなと思いました。
ただ、刑務所で権力を牛耳っている看守ですが、刑務所内では中庭のテーブルの下に、ドライバーや、ハサミを加工した凶器がガムテープで張り付けられていて、ぞれを使用して囚人たちがサバイブしているので、正直この看守だったら、囚人たちが本気だせばいつでも命を奪うことは可能ではないの?て思ってしまったので、おススメ度は90となりました。
でも、クズっぷりを見せつけていた看守が、最後主人公から、細いワイヤ―でこめかみあたりを突き刺さされていたので、良しとします。
小説もあるようです。