歌を歌えば歌う時

カラオケに行かなくなって久しい。
カラオケが好きという訳ではないが、大声を出してストレスを発散していた感覚を忘れつつある。
一人カラオケも選択肢にあるが、このご時世なので二の足を踏んでしまう。

友達と予定を合わせて何時間も歌えていたのが遠い過去のように感じる。
フリードリンクを頼んでは、ウーロン茶に炭酸水を割ってノンアルコールビールぽくして飲んでいた。
味よりも思い出重視で、そんな事ばかりしていた。

歌うたびに、歌手の凄さを思い知る。
ライブでは、何十曲も歌詞を暗記して歌っているのが凄い。
カラオケで歌詞を目で追っている私としては異次元の世界だ。

カラオケをするたびに、高い声が出ないし、声量が全くないことに愕然とする。
昔、一人カラオケでラップの曲を練習した事があったが、ラップは本当に難しい。アーティストのようにラップをしているつもりが、どう贔屓目に見ても、音痴なお経を唱えているようにしか聞こえず断念した。
ラップこそ歌詞を暗記しないと駄目なジャンルで、目で歌詞を追っているとどうしてもメロディに付いていけなくなって、最後は調子外れたお経になってしまうのだ。

あと低い声だと、歌える曲と歌いたい曲にズレがでてしまうのも最初は嫌だった。
軽快なアニメソングやJPopを歌いたかったが、どの曲もキーが合わず、最終的には「演歌」と「サライ」ばかり歌っていた。
最初は少し恥ずかしいと思っていたが、最終的にはカラオケ画面に「サライ」と表示されるだけで笑いが発生するまでになったので、何事も継続してみるものだと思った。