Mr.ノーバディ

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おススメ度 97

 

個人的には、暫定的に今年1番の映画でしたよ。

 

あらすじはこんな感じ。

一見してごく普通の中年男が、世の中の理不尽に怒りを爆発させて大暴れし、やがて武装集団やマフィアを相手に激しい戦いを繰り広げる姿を描いた痛快ハードボイルドアクション。「ジョン・ウィック」の脚本家デレク・コルスタッドと製作デビッド・リーチが再タッグを組み、人気テレビシリーズ「ベター・コール・ソウル」の主人公ソウル・グッドマン役で知られるボブ・オデンカークが主演を務めた。郊外にある自宅と職場の金型工場を路線バスで往復するだけの単調な毎日を送っているハッチは、地味な見た目で目立った特徴もなく、仕事は過小評価され、家庭では妻に距離を置かれて息子から尊敬されることもない。世間から見ればどこにでもいる、ごく普通の男だった。そんなハッチの家にある日、強盗が押し入る。暴力を恐れたハッチは反撃することもできず、そのことで家族からさらに失望されてしまう。あまりの理不尽さに怒りが沸々とわいていくハッチは、路線バスで出会ったチンピラたちの挑発が引き金となり、ついに堪忍袋の緒が切れる。監督は「ハードコア」のイリヤ・ナイシュラー。共演に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のクリストファー・ロイド、「ワンダーウーマン」のコニー・ニールセンほか。

2020年製作/92分/PG12/アメリ
原題:Nobody
配給:東宝東和

スタッフ・キャスト
監督製作ケリー・マコーミック デビッド・リーチ ブレイデン・アフターグッド ボブ・オデンカーク マーク・プロビッシエロ製作総指揮デレク・コルスタッド マーク・S・フィッシャー トビー・マグワイア脚本デレク・コルスタ

 

Mr.ノーバディ : 作品情報 - 映画.com

 

www.youtube.com

 

映画館の予告編で知ったのですが、最初は「あれでしょ、舐めてた奴が滅茶苦強かった。」的なのでしょ?と斜に構えていたのですが、ジョンウイックのスタッフが集結して作成された映画と知り、姿勢を斜から正対に直した次第。

 

※映画の内容に触れていきます。

 

映画冒頭で、ボロボロになった主人公のハッチが名前を聞かれたことに対して、「ノーバディだ」と答えるシーンから心を掴まれました。

その後、主人公のハッチの日常が、曜日のテロップが画面一杯に表示されながら説明していく構成が見ていてワクワクしましたよ。

 

金型工場の経理として勤めているので、鉄をプレスするような音と共に曜日のテロップが変わって、主人公の日常が分かるのですが、大体早朝のランニングと懸垂、そして仕事の毎日と、ゴミ収集車の時間に間に合わずに、いつも走り去るゴミ収集車の後ろ姿を見る日々。奥さんとは同じベットで寝ているものの、真ん中にはクッションが置かれていて営みも無い模様。

子どもいるが、ハッチ自身が日常を退屈だと思っているのが分かる仕組み。

 

金型工場でも、経理の仕事をこなしつつも、社長の息子からのイキッた絡まれ方をしていて適当に流す日々。

 

ちなみにこの社長の息子、ハッチに銃を突き付けてきて、「安全装置がかかっているから大丈夫だ。」と言った矢先に、「あ、安全装置外れていたっけ。」とか言っているポンコツ野郎なのですが、ハッチは無理矢理渡された銃を冷凍庫にあるアイスが入っている箱に押し込んで無視していました。

 

そんな日常を過ごしていたら、夜中家に2人組の強盗が侵入。

強盗がハッチに銃を突きつけるも、台所の皿にある数ドルと自分の持っている腕時計を渡して、何事も無く終わそうとした瞬間、息子が一人にナイスタックルするも、ハッチは息子に、離すように言って強盗を逃がすことに。

息子からは情けないと言われて、若干しょんぼり気味のハッチ。

しかし、ハッチは瞬時に銃の形式と弾が入っていないこと、そして女性であることを見抜いていたから手を出さなかった訳ですよ。

 

しかし、そのことを言わないので、顔に青あざ作った息子の誤解は解けないまま。

警察の現場検証も終わり、台所に足を運ぶと、最愛の娘から「猫のストラップ無いよ。」との発言が、多分先程の強盗が持って行ったと知ると、ハッチ覚醒。

 

夜の街に飛び出して、ストラップ奪還作戦の開始。

 

そして、強盗をした二人組の家へと入り込むも、あるのは腕時計のみ。

ここで、やり切れないのは、ハッチが赤ちゃんの泣き声を聞いて見に行くと、そこには酸素ボンベと酸素吸入機をしている赤ちゃんの姿で、『悪い奴を成敗してハッピーエンド』では無い現代のやり切れなさを描いているのが印象的でした。

 

ハッチは、そのやり切れない思いをコンクリの壁を殴って解消していました。

 

ここ10年でのアクション映画の潮流として、俺強い系から、現実路線へと変更しているように思っています。

一発殴られるけど、相手の片腕は折る。『骨を切らして肉を断つ』的なアクションが主流になっていて、この映画もその流れを汲んでいると感じました。

 

バスの中でのアクションシーンも、普通に考えれば1対6になると一人を殴ると他の人間から殴られる訳で、この方が現実的だし、一人が勝つには相手のナイフや武器も奪って使用するのも常套手段ですし、暴力なんて痛くて恰好悪いものとして表現していると私は思いました。

 

この映画のボス役のロシアンマフィアが良い味出してましたし。

脇役も魅力だったりするのですが、この映画の良いところとして細かい配慮があるところが挙げられます。

 

例えば、家族を地下室に避難させて、自宅に襲撃したマフィアの部下を返り討ちにした後で、家族が自宅から避難するシーンで、高校生らしき兄は目を開けていて、小学生の妹は、目を手で隠しながら手を繋いで歩くのがあったのですが、こういう配慮って無い映画には本当に無いので、個人的には好感を持ちました。

 

他にも、クリストファーロイドの存在感であったりとか、金型工場での最終決戦であるとか、褒めるところが多く、しかも90分なのに満足できるボリュームでした。

 

暴力の連鎖と報復も描いていたので、そこも良くて、おススメ度は97です。

残りの三点はその日の体調や気温で変動する感じです。

 

この映画を気に入るのなら、この映画も好きになるはず。

 

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