相手を舐めてかかると、痛い目見るぞ。
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サム・ライミ製作、リメイク版「死霊のはらわた」のフェデ・アルバレス監督による、全米でスマッシュヒットを記録したショッキングスリラー。強盗を企てた若者3人が、裕福な盲目の老人の家に押し入ったことから、思いがけない恐怖に陥る様を描く。親元を離れ、街から逃げ出すための資金が必要なロッキーは、恋人のマニーと友人のアレックスとともに、地下に大金を隠し持っていると噂される盲目の老人の家に強盗に入る。しかし、その老人は目が見えないかわりに、どんな音も聴き逃さない超人的な聴覚をもち、さらには想像を絶する異常な本性を隠し持つ人物だった。暗闇に包まれた家の中で追い詰められたロッキーたちは、地下室にたどり着くが、そこで恐るべき光景を目の当たりにする。
2016年製作/88分/PG12/アメリカ
原題:Don't Breathe
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント以上、映画.comより
スタッフ・キャスト
監督
フェデ・アルバレス
製作
サム・ライミ ロブ・タパート フェデ・アルバレス
製作総指揮
ネイサン・カヘイン ジョー・ドレイク エリン・ウェスターマン J・R・ヤング マシュー・ハート
脚本
フェデ・アルバレス ロド・サヤゲス
撮影
ペドロ・ルケ
美術
ナーマン・マーシャル
衣装
カルロス・ロサリオ
編集
エリック・L・ビーソン ルイーズ・フォード
音楽
ロケ・バニョス
ジェーン・レビロッキージェーン
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ロッキー
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ジェーン・レビ
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アレックス
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ディラン・ミネット
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マニー
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ダニエル・ゾバット
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盲目の老人
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スティーブン・ラング
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おススメ度 79
オープニングの道路を空撮している映像から、段々道路にズームしていくと、人間が歩いていて、何がを引きずっている。
そのままカメラが引きずっている対象にズームする一連の流れに掴まれました。
ジェイソンなどの『いつの間にか、その場にいる怖さ。』というよりも、盲目の老人なのに、滅茶苦茶強くて、無慈悲という設定は新しいなと思いました。
なので、盲目の老人が積極的に主人公たちに急接近したり、横を通り過ぎるていくため、そのたびに張り詰めた空気になるので、見ている観客も同じ緊迫感を共有できる工夫は見ていて感心しました。
映画の内容についてですが、それぞれ家庭の事情を抱えた主人公の面々が、盲目の老人宅にある大金を盗もうとして、家に侵入して金を奪おうとする時点で感情移入出来なくて、盲目の老人から酷い目にあったとしても、「そりゃ、そうだろう。」と思ってしまう訳です。
逆に、侵入しなければこんな事になっていないし、主人公に盲導犬が襲い掛かろうとする理由も、飼い主を思ってのことだろうし、理解ができる。
その盲目の老人も、富豪が運転している車に、自分の娘を轢き殺されて、しかも無罪判決で釈放されたという過去があるのですが、その後、富豪の娘を誘拐して、自分の精子をスポイトで注入して妊娠させていたという、老人の過去の悲劇が霞むくらいのクソ野郎で、まったく感情移入出来ないという地獄。
これが、どの登場人物にも感情移入をさせないようにして、映画を見ている人達に不安感を持たせる演出なら、とても上手く機能していると思います。
最後、生き残ったヒロインが老人の家から持ち出した金を使用して、飛行機に乗るところで終わっていたような気がしますが、ヒロインの過酷な家庭事情も知ったうえで、内心「とはいえ、不法侵入で盗んだ金なんだよな。」と思うと、複雑な気持ちになりました。
ここまで見ると、監督はカタルシスを徹底的に排除してるようにも見えましたな。
この後、老人が開眼して、次々と入ってくる荒くれ者を斧で頭をかち割る描写も迫力がありました・・・すいません、これはスティーヴン・ラング主演の別作品『ヴェテラン』の話でした。
話を戻して、最初の、底知れない存在感と恐怖を出していたの比べて、終盤になると、普通に攻撃を受けるとそれなりに、ダメージを受ける人間感が前面に出てしまったのが残念でしたね。
どうせなら最後まで、理由の分からない強さを持ったままでも良かったのではと思いました。
冒頭の盛り上がりに比べると、最後落ち着いてしまった印象を受けたので、おススメ度は79となりました。
とはいえ、90分を切っている上映時間なのに、異常な緊迫感を味わえる映画なので、現在『ドントフリーズ2』の公開されている中、興味ありましたら是非ご覧になってはいかがでしょうか。