DUNE/デューン 砂の惑星

※映画の内容に触れていますので未見の方はご注意ください。

 

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おススメ度 95

 

www.youtube.com

 

あらすじはこんな感じ。

 

ブレードランナー2049」「メッセージ」のドゥニ・ビルヌーブ監督が、かつてデビッド・リンチ監督によって映画化もされたフランク・ハーバートSF小説の古典を新たに映画化したSFスペクタクルアドベンチャー。人類が地球以外の惑星に移住し、宇宙帝国を築いていた西暦1万190年、1つの惑星を1つの大領家が治める厳格な身分制度が敷かれる中、レト・アトレイデス公爵は通称デューンと呼ばれる砂漠の惑星アラキスを治めることになった。アラキスは抗老化作用を持つ香料メランジの唯一の生産地であるため、アトレイデス家に莫大な利益をもたらすはずだった。しかし、デューンに乗り込んだレト公爵を待っていたのはメランジの採掘権を持つハルコンネン家と皇帝が結託した陰謀だった。やがてレト公爵は殺され、妻のジェシカと息子のポールも命を狙われることなる

映画.comより引用。

 

以上Firmarksより引用

 

ジャンル的に言えば、王道のジュブナイル物でありながらも、雄大なスケールと演出、CG表現で構築された今作は傑作だと思います。

 

マーベルのアベンジャーズシリーズにおける『エンドゲーム』あたりから、上映時間が2時間半を越えても間延びしない脚本や映画の撮影方法が確立されてきたと感じていて、今作も約2時間半の上映時間でありながら、間延びするところもなく、時間を気にせずに映画に没入できました。

 

冒頭は静かで淡々としている部分もあったのですが、それは冗長ではなく、登場人物の関係性を丁寧に描写していると捉えました。

 

主人公ポールと相手との距離が、心の距離と連動していると感じていて、冒頭、母親のレディ・ジェシカとは椅子に座った時のテーブルの距離感がジェシカとの心の距離のように見えましたし、ポールが兄のように慕うダンカンの場合は、肩を組むぐらい距離が近い描写があります。

 

その母親とも、旅を続ける内に砂漠専用のドライスーツを装着する際に、一人では手が届かない部分をお互いにフォローするシーンが描かれています。

 

この映画では、言葉より演出によって登場人物の心情を表現するため、映画全体には静寂とある種の緊張感が継続されていきます。

 

この緊張感が、上映時間が2時間半近くでも、集中力が途切れない工夫なのではないかと思うのです。

 

正直な事を言いますと、ポールの父親のレド・アトレデイス公爵が亡くなるシーンまでは、すこし眠たくなってしまう部分もありましたが、その後の盛り上がりで眠気も無くなりました。

 

映画を見ていて、砂漠の世界で地下水をくみ上げて地下に植物を育てる場所があったり、ヘリコプターのような空中浮遊する機器の形がトンボの羽の形をしていたりと、風の谷のナウシカぽいな~。と思っていたのですが、この映画は1960年代に発売された小説が原作なので、順番が逆で、ここから宮崎駿ナウシカのアイデアを膨らましたのだなと思いました。

その他にも、銀河英雄伝説のエッセンスをあったりしてと、日本のアニメや小説などの物語の源流を知ることができる映画として楽しめました。

 

あと、今作品の字幕で『砂虫』と表示されていた生物が『サンドウォーム』と知った時に「このモンスターってここから発生していたのか。」という驚きがありました。

ファイナル・ファンタジーで砂漠を歩くと出て来る、芋虫のような形をしていて、頭半分が巨大な口の中にイソギンチャクのようなものが生えてい巨大なモンスターの源流がここにあるとは、感慨深かったです。

 

今作の敵である、ハルコンネル男爵が登場する演出も良かったです、長テーブルの奥の椅子に男爵が座っていて、ずっとピンボケしている状態で映されていて、立ち上がろうとした時に異常にデカい事が分かる、ガタイが良いというより、足の長さのバランスが歪なように描かれていて、そのことを説明しないので、見ている側としては不安だけが残りました。

 

※後で調べてみたら、足が長いのでは無くて裾の長い服を着てただけでした、思い込みで書いていしまい、お恥ずかしい限りです。

 

これからポールが、ハルコンネル男爵と対決するのかと思うと、どうなるのか期待できます。

 

先程も書きましたが、ナウシカ銀河英雄伝説などの元ネタを垣間見ることが出来たりと、数々のクリエイターが影響を受けたであろう、エンターテイメントの源流を辿る映画としても楽しめる者でした。

 

ただ、この作品が続編がある事については、最後で知ることになり驚きはしました。

予告編や、ポスターでは続編について言及しておらず、サプライズ的な部分もあるのでしょうが、それなら前面に続編であることを明記した方が良いのでは無いか?と映画を見終わった後、モヤモヤが残りました。

 

しかし、続編が今作同様のクオリティで完結するのであれば、スターウォーズのように語り継がれる映画になると思った次第です。